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人々の生活に密着した企業が考える パーソナライゼーションとAI活用

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2010年代以降、MA(マーケティング・オートメーション)を筆頭に様々なマーケティングテクノロジーが登場。企業側の顧客データ戦略が進化する現在、各社でそれらのテクノロジーの活用レベルに違いが出てきている。こうした状況を踏まえ『宣伝会議』編集部では、1997年からMA事業を展開しているHCLSoftwareと共に「宣伝会議 マーケティングサロンsupported by HCL Unica」を開催。本稿では、第2回研究会の概要をレポートする。

(左から)チュチュアンナ 西岡和也氏、パル 堀田覚氏、花王 秋山美紀氏、ユナイテッドアローズ 木下貴博氏、HCLSoftware 岩田行雄氏。

顧客接点の価値最大化にパーソナライゼーションを生かす

第2回研究会のテーマは「パーソナライゼーションとAI活用」。日用消費財やアパレルといった、人々の生活に密着したアイテムを提供する企業でマーケティングを担う4名が参加した。

各社におけるパーソナライゼーションの取り組みとして花王の秋山氏は、2022年に運用を開始したブランド横断のECプラットフォーム「My Kao Mall」の事例を紹介。顧客とのダイレクトな接点の強化を図る方針の中で、1stパーティデータの拡充・整備を進めたことで、パーソナライズレコメンドの質と顧客体験価値が向上し、受注数や客単価に貢献できているという。

ユナイテッドアローズでは、2023年8月に会員制度をリニューアルし「UAクラブ」を始動。購買時以外の顧客接点も強化し、データに基づいた顧客理解と適切なアプローチができるよう変革を進めている。

またチュチュアンナでは、会員基盤の転換を経て、アプリ経由のEC売上が50%を超え3年でLTV伸長率135%を実現。会員属性や購買のデータをもとにしたOne to Oneのコミュニケーションが効いているという。

複数のアパレルブランドを展開するパルは、ショップスタッフによるSNS発信を強化している。投稿の反応や各SNSのアルゴリズムを分析し、そのノウハウをスタッフにも共有したり、SNS発信の成果をスタッフの評価と連動させる仕組みを設け、店舗集客やECサイトの売上向上につなげている。

4社ともに、店舗とEC、あるいは複数ブランドを横断した顧客インサイトの深掘りを強化し、それにもとづいたパーソナライゼーションで高い成果を出している。一方、過剰なパーソナライズは離反にもつながるとして、ブランド・サービスの特性や文脈に沿ったコミュニケーションの重要性が話された。

またAIについては、各社ともにサイト内のレコメンドやチャットボット、骨格診断、身体計測技術など、顧客体験向上のための活用が進んでいる。社内に蓄積されたデータを学習させた生成AIの活用にも意欲的だ。例えばユナイテッドアローズでは、商品説明原稿の生成やレビューで一部利用を始めているほか、各種業務の効率化にMicrosoft Copilotの活用を試験的に進めている。

AIにどう学習させるか、工数/コスト面の課題、売上にどうつなげるかやリスクマネジメントなど、考えるべき事項は多いながらも、各社事情に沿った試行錯誤が進んでいる。

HCLSoftwareの岩田氏は会の最後に「生活者とダイレクトに向き合う皆さんが、新しいテクノロジーを自社のビジネスや生活者視点にしっかり落とし込んで活用されていることを実感。見通しが立てにくい環境下では、スピードとチャレンジが重要だと再認識した」と話した。

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