5月15日 に、米国・ニューヨークゴッサム ホールにて、「第103回 ニューヨークADC賞(ADC 103rd Annual Awards)」が発表となった。

本アワードは、1921年にニューヨークで広告美術団体「Art Directors Club(A.D.C)」によって設立され、今年で103回目を迎える世界で最も古い広告デザインの国際賞。2017年からは「One Show」を運営する「The One Club」と「Art Directors Club」の合併により設立された「The One Club for Creativity」が主催している。
本年度の最高賞であるADC Black Cube for Best of Show には、Microsoft「ADLaM」(McCann New York)が選ばれた。これは、 西アフリカのフラニ族のアルファベット書体をデジタルフォント化した試み。人口4000万人を擁するフラニ族は独自の言語を持つが、長らくアルファベットを持たなかった。その部族の言語を守るために、また人々が自らの言語でビジネスやコミュニケーションを行っていけるように、同部族のバリー兄弟は独自の手書き書体を開発。そのデジタルフォントのプロトタイプを、マイクロソフトがより最適化し、汎用化。さらにダウンロードできるように改訂したもの。2023年のカンヌライオンズでも2部門でブランプリを受賞している。ちなみに、「ADLaM」は「人々を消滅から守るアルファベット」を意味する Alkule Dandayɗe Leñol Mulugol の略称。
エージェンシー・オブ・ザ・イヤーには、AB InBev, Michelob ULTRA「Dreamcaster」で3部門のBEST OF SHOWを受賞したFCB New Yorkが選出された。
日本からは、Illustration部門でJRグループ 「My Japan Railway」(電通)、Product Design部門で甲子化学工業「HOTAMET」(TBWA\Hakuhodo、Quantum、Robot)、Apparel/Accessory/Footwear Design部門でAIZOME「AIZOME ULTRA An innovative method to create textiles with lasting health benefits 」(博報堂、Serviceplan Germany Munich)が、BEST OF SHOWに選ばれている。
また、日本のエントリーは上記以外に、12のゴールドを受賞している(うち5つはJRグループ、2つは甲子化学工業が受賞)。
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