「人の心を動かす」クリエイターの仕事は変わらない(なかじましんや)

「AdverTimes.(アドバタイムズ/アドタイ)」は2024年6月に20周年を迎えました。2004年に新聞として創刊、2010年からオンラインがスタートし現在に至ります。
20周年の節目に際し、これまでのコラム執筆者の皆さんから寄せられた、それぞれの領域における「これまでの20年とこれからの20年」を紹介します。

なかじま しんや氏

なかじましんやオフィス代表社員 CMディレクター

――これまでの20年間で、ご自身のお仕事の領域や関心領域において、エポックメイキングだったと思われることはなんですか

民放に元気がなくなったことだと思います。ネットの登場によって人々の視聴習慣が変化しました。本質的に放送はネットとは全く違う価値があるにも関わらず「広告媒体としての価値」をネットと競うことに躍起になるあまり「広告効果がありそうなストレートな販促型CM」が溢れかえっています。本来、良質な番組やCMを提供することによって視聴者と企業がつながっていくことができるのが放送である、という意識が薄れてしまいました。

――現在のご自身のお仕事の領域において、最も関心を寄せる/寄せられるべき課題は何だとお考えですか

テレビ局、広告代理店、そして我々広告制作者たちが「放送の価値」を再認識することだと思います。放送が無料で良質な情報やエンタテイメントを視聴者に提供することによってみんなの幸せをつくる「大切な情報インフラである」という認識に立てば、そこにやたらと自画自賛したり販促効果を求めるCMは求められないはずです。放送という公共媒体に品のないCMを流せば、品のない会社だ、と思われてしまいます。視聴者は無意識のうちにCMから企業の品格を感じ取っています。裏を返せば「視聴者を幸せにするCMを放送すれば視聴者と強いつながりができる」ということです。

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なかじましんや(CMディレクター)
なかじましんや(CMディレクター)

1959年福岡県生まれ。1982年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業後、東北新社入社。83年CMディレクターとしてデビュー。主な仕事に、日清食品カップヌードル、ホンダステップワゴン、サントリーDAKARA/燃焼系アミノ式/伊右衛門、リクルートAirPAY/AirWORK、積水ハウス 企業CMなど。「カンヌ国際広告祭(現カンヌライオンズ)」グランプリ、「米IBA」最高賞など受賞多数。一方で東北新社の取締役、専務、副社長、社長を歴任したのち、2022年6月に退任。現職は顧問/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター。東北新社のクリエイティブユニット「OND°(オンド)」を窓口に、CMディレクターとして活躍中。現在は東北新社グループ以外の制作会社の案件も受けられる体制を整えている。後進の育成にも力を入れており、宣伝会議のコピーライター養成講座やCMプランニング講座等で講師を務めている。東京ADC会員、武蔵野美術大学客員教授。

なかじましんや(CMディレクター)

1959年福岡県生まれ。1982年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業後、東北新社入社。83年CMディレクターとしてデビュー。主な仕事に、日清食品カップヌードル、ホンダステップワゴン、サントリーDAKARA/燃焼系アミノ式/伊右衛門、リクルートAirPAY/AirWORK、積水ハウス 企業CMなど。「カンヌ国際広告祭(現カンヌライオンズ)」グランプリ、「米IBA」最高賞など受賞多数。一方で東北新社の取締役、専務、副社長、社長を歴任したのち、2022年6月に退任。現職は顧問/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター。東北新社のクリエイティブユニット「OND°(オンド)」を窓口に、CMディレクターとして活躍中。現在は東北新社グループ以外の制作会社の案件も受けられる体制を整えている。後進の育成にも力を入れており、宣伝会議のコピーライター養成講座やCMプランニング講座等で講師を務めている。東京ADC会員、武蔵野美術大学客員教授。

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