キャラ際立つSNS投稿が続々デュオリンゴ、アイデア尽きない運用の舞台裏

無料語学学習アプリ「Duolingo(デュオリンゴ)」の継続学習を促す、キャラクターが主役のSNS公式アカウントが人気を博している。ブランドの楽しさが伝わってくる投稿はネットの話題に敏感。どのようにしてコンテンツを次々と生み出しているのか。
 
※本記事は、『広報会議』(2024年8月号・7月1日発売予定)「企業のSNS活用 知っておきたい10のこと」の内容を一部転載しています。

ゲーム形式で学べる語学アプリを提供する米Duolingo。日本市場に本格参入した2020年よりXアカウント「Duolingo(デュオリンゴ)|日本公式」を開始した。ユニークなコンテンツを生み出し続け、緑のフクロウのブランドキャラクター「Duo(デュオ)」による独特な言動がユーザーの心をつかみフォロワー数は10万に。2023年開始のTikTok「Duolingo Japan」も話題になり、フォロワー数は90万を超えた。

「語学の勉強は毎日コツコツ続けることが求められます。だからこそ “楽しんで” 学んでもらうことがデュオリンゴの軸。ユーザーが飽きることなくモチベーションを維持できる仕組みを提供しています。楽しいブランドとして認識してもらえるように、SNSの投稿もエンターテインメント性の高いコンテンツを意識しています」とカントリーマネージャーの水谷翔氏は話す。

アプリに登場するキャラクターのデュオは学習を応援する愛らしい存在。だがSNS上での性格は「unhingedアンヒンジド」という言葉で表現される。日本語に訳すと「狂気じみた、少しねじが飛んでいる」といったニュアンスだ。レッスンをさぼる人を必死に追いかけ回すデュオの振る舞いや、ユーザーとのやりとりが笑いを誘う。

SNS上のデュオは、アプリで学習する人にレッスンをリマインドする役割を果たす。と同時に、アプリを知らない人に対しては “面白いフクロウがいるな” と認知してもらい、外国語を学びたくなったときにデュオリンゴを思い出してもらおうという狙いがある。

インターネットミーム(ネタ要素の強いネット上の動画や画像、文章)に絡めた遊び心ある発信でバズも生み出す。投稿のアイデアを出す上では、ブランドの楽しさを代弁するデュオを活かすコンテンツを追求しているという。

散歩中のおばあちゃんの会話を真似して遊ぶミーム「#おい笑える」に乗って、デュオリンゴのTikTok公式アカウントが投稿した動画は400万再生に。

「小さくて可愛いもの」を投稿するミームに乗った公式Xの投稿は130万インプレッション(閲覧数)を達成。流行りの要素を分析し、アニメのワンシーンを切り取ったような構図であえて画質を落とした画像を作成している。

ソーシャルメディアのマーケティングに従事してきた水谷氏は日本の第一号社員としてデュオリンゴに参画して以来、SNSアカウントを1人で担ってきた。外部パートナーとして、広告会社の担当者、コミュニティーマネージャー、デザイナーとチームを組んで運用。そして日本市場の拡大に伴い、2024年5月より社内は2人での運用体制になっている。

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