では、現場で働く人たちはどのような思いでキャリアを選び、転職を決めるのか。やりがいと給与、どちらを重視するのか。あの会社の評価は……。本連載では匿名インタビューでその本音に迫ります。
第2回は、中堅のネット広告会社からコンサルティング会社に転職した、東大卒の山科さん(仮名)。肩の力が程よく抜けていながら、将来を見据えるしたたかさが伺えます。コンサル転職のポイントも教えてもらいました。
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CASE2: 山科達也さん(仮名)
20代後半。東京大学文学部卒業後、ネット広告会社で3年、Web広告運用などデジタルマーケティング全般に携わったのち、経営コンサルティング会社に転職。Webメディア支援などの業務に携わる。大学生の時に学生ベンチャーに参加しエンジニアとして務めていた。
就活は「あまりやる気がなかった」
――新卒採用の就活時に目指した業界と、その理由について教えてください。
正直なところ、大企業志向などのマインドもなく、当時あまり就活を頑張ろうという気がしていませんでした。というのも、学生の時すでにベンチャーで働いていた経験があったからです。
東大の先輩が立ち上げたネット関連の学生ベンチャーで、エンジニアとして参加していました。2年間休学するほど没頭していましたが、優秀な人は本当に優秀で、最終的には離れることになりました。ある意味燃え尽きてしまったのかもしれません。
3年生の3月頃に少し就活をした時はコンサルティング業界を受けていましたが、「給料が良くて転職しやすいだろうな」という程度の認識でした。その後、4年生の8月頃からインターネット広告業界に絞って就活を再開しました。自分で後々ビジネスをやると考えていたので、何をやるにしても必要なマーケティングのノウハウが身について、色々できそうだなと考えていました。
――最初に入社した会社について教えてください。
業界中堅のネット広告会社に入社しました。BtoC向けの営業部に配属され、アカウントプランナー兼営業として、広告の運用・改善からプロモーションの提案などに携わっていました。
同じネット広告会社でも、大きい会社では営業と広告運用は分かれており、かつ運用の中でも「Google広告担当」「さらにその中のリスティング広告担当」と細分化されているのが一般的です。この会社はかなり幅広い範囲までアカウントプランナー1人が責任持って回す体制で、Webマーケティングの知識を広げたいと思っていた私には合っていました。
