「動画広告部門」「音声広告部門」において絵コンテ・字コンテ作品も募集している「宣伝会議賞」。エフエム福岡と宣伝会議の共同講座として今年で16期目を迎える「ラジオCM 制作実践講座」で講師を務める廣瀬泰三氏が、ラジオCMならではの魅力や、CMコンテ制作のポイントを解説します。
※本記事は、月刊『宣伝会議』10月号に掲載されています。
※本記事は、月刊『宣伝会議』10月号に掲載されています。
大切なのは最初の5秒で“異常値”を生み出すこと
僕の場合、新卒で広告会社に入って初めて「自分でつくった」と手ごたえを感じられた媒体がラジオCMでした。
テレビCMの場合は自分で考えたプランを元に監督や演出家と一緒になって制作していくパターンが多いのですが、ラジオCMの場合は、自分が書いた原稿がそのまま形になることがほとんど。あるいは収録現場で監督としてディレクションをしていく中で、効果音を入れる場所や間合い、セリフの取捨選択をしていきます。
逆に完成したものが面白くなければ、全部自分のせいというのも怖いところ。原稿を書いた段階では面白かったのに実際、形にしてみたらそうでもなかった…ということに気付けるのも大事でしたね。
ラジオCMをつくることで、演出方法や秒数の感覚も身に付いていきます。これはテレビCMの企画をつくるときにも、間違いなく役立ちました。
ラジオCMは、最初から真剣に聴こうとしている人はほとんどいません。「宣伝会議賞」の場合は、キャッチフレーズから派生してシナリオをつくることもあるかと思いますが、その一番伝えたい「ひとこと」を聴いてもらうために作戦を練ります。
大切なのは最初の5秒で“異常値”を生み出すこと。「何かおかしなことが起きたぞ」と耳を振りむかせることに全力を注いでください。