日本郵政グループ4社による、新たなコミュニケーション施策が7月から始まっています。新たな展開への期待をイメージさせる爽やかなCMですが、元味の素クリエイティブディレクターの名久井貴詞さんによると、そもそも「企業広告でお客様の理解と共感を得るのは容易ではない」と指摘します。なぜでしょうか。
日本郵政グループ「3色の鳥・登場篇」(30秒)
身近になった郵便局だけど、なぜか理解が進まない
CMはだいたい突然目に飛び込んでくるモノなので、あれ⁉とか、何?とか、よく分からないまま終わってしまうと感じる人は多いのではないでしょうか。
今回のCMは、“手のひらの郵便局”と語り出し、画像も郵便マークから始まり、郵便局の画像や、荷物、赤い車など郵便らしいイメージの映像が素敵な音楽とともに次々と流れました(ただし、自分は郵便のアプリのコトを知らなかったので、携帯のシーンだけ違和感を覚えてしまいました)。
しかし、残念ながら“郵便局の新しいCM !?ということ”、それ以上の理解が進みませんでした。
郵便局を活用する機会は、会社を卒業しフリーランスになったことで、以前よりも断然増えました。家から歩ける距離にあるので手紙・ハガキ・荷物の発送などでよく利用し近い存在となりました。
でも、銀行のアプリは活用していますが郵便局アプリを知らない中、アプリを使うシーンは、そうだよね~、時代としてアプリぐらい郵便局も展開しているよね!と初めて認識したのに妙に納得してしまっている自分を“適当なCM理解だな~”と思ってしまいました。
促すのは商品理解か、企業への共感か
広告に受け手が3回接触して初めて効果を発揮するという、クラグマンが提唱した「 3ヒット理論」というものがありますが、このCMは、結局何が言いたかったのかな……と頭の中で繰り返すもよく分からないので、理論に則り、続けて見るコトを試みました。