PR(パブリック・リレーションズ)が、新しい局面に来ている。そのことを、PR4.0と名付け、いかに進化したのか、あるいはしていく必要があるのかということを、提言しようとしているのが本書である。
PR1.0とは、情報拡散を目的とするPRであり、PRはパブリシティを中心として語られていた。PR2.0とは、2010年頃からのアウトプットからアウトカムを重視する局面のことである。広告換算費ではなく、売上向上は行動変化など実質的な成果が重視されるようになったのである。そして、PR3.0では、2020年にバルセロナ原則3.0がだされ、アウトカムだけではなく社会へのインパクトまで評価されるようになった。
そして、PR4.0の世界は今後、どうなるのか。そのことについて、経営環境の変化につれて、コミュニケーションがいかに変化するのかを検討している。
環境の変化のひとつがメディアの変化である。欧米ニュースメディアがサブスクによりグローバル化ししていったこと。一方で、共通の価値観をもつマイクロコミュニティに影響するインフルエンサーがよりエンゲージメントを高めることができるようになってきている。さらに、オーディエンスの多様性を意識せねばならない環境となったことにより、ジェンダーバイアスやステレオタイプが炎上を招くなど、多様性を意識する必要がでてきていることである。