カンヌライオンズの潮流とPRの未来 ~アワード受賞のヒントを探る~【前編】

2024年6月に開催されたカンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル。今回のテーマは「ヒューマニティとユーモア」でした。
そこでP&G、資生堂出身の田上氏は事業会社、嶋氏はエージェンシー、山口氏は日本パブリックリレーションズ協会理事長という異なる立場から、カンヌライオンズの受賞作品の潮流を読み解くとともに、これからのPRの在り方やアワード受賞のポイントを語ってもらいました。
サムネイル カンヌライオンズの潮流とPRの未来

日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)が主催する「PRアワードグランプリ」の募集締め切りが10月15日に迫っている。PRSJは応募者へのヒントを探るべく、カンヌライオンズの潮流を読み解くパネルディスカッションを実施した。

今回、2024年度カンヌライオンズPR部門において日本代表の審査員を務めた田上智子氏(シナジア 代表)、今年度のカンヌライオンズに参加した嶋浩一郎氏(博報堂 執行役員)、山口恭正氏(日本パブリックリレーションズ協会 理事長)によるパネルディスカッションが実現した。

昨年まではAIを活用した企画に注目が集まっていたが、今年は人間的なあたたかみを感じるユーモアの活用が評価される傾向にあった。難しい課題に対しても、ポジティブなクリエイティブアイデアで解決する企画が評価された。

登壇者プロフィール

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田上 智子氏(たがみ・ともこ)

シナジア  代表取締役
カンヌライオンズPR部門 日本代表審査員
PRアワードグランプリ2024 審査委員 

P&Gジャパンなどで、マーケティング、PRを経験後、資生堂のチーフコーポレートコミュニケーションオフィサーに就任。2024年9月に社会発想で経営変革を支援するシナジアを創業。2024年のカンヌライオンズPR部門で事業会社出身者初の日本代表審査員に抜擢された。「PRアワードグランプリ2024」の審査委員にも3年ぶりに復帰。

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嶋 浩一郎氏(しま・こういちろう)

博報堂 執行役員
博報堂ケトル ファウンダー

1993年博報堂入社。コーポレート・コミュニケーション局で企業のPR活動に携わる。朝日新聞社への出向を経て、2006年に博報堂ケトルを設立。本屋大賞の立ち上げや本屋B&Bの経営で知られる。2011年、2013年、2015年にカンヌライオンズPR部門の審査員、2016年~2018年にPRアワードグランプリの審査委員長を務める。

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山口 恭正氏(やまぐち・たかまさ)

日本パブリックリレーションズ協会 理事長
電通PRコンサルティング 代表取締役社長執行役員

1991年電通入社。ストラテジックプランニング局部長、第2CRプランニング局部長、三井住友カード出向などを経て、2021年1月、PRソリューション局長に。2024年から電通PRコンサルティング代表取締役社長執行役員に就任し、日本パブリックリレーションズ協会理事長も務める。

社会的なファクトをエンタメに昇華し、態度変容へ

僕らPRパーソンは、クリエイティブな合意形成を目指していかなきゃいけないと思っています。合意形成って、最終的には人々のパーセプション(認識)を変え、行動を変えていくわけですが、「新しい当たり前を作っていく中で、こんなクリエイティブなやり方があるんだ」というヒントや「ここまでやっていいんだ」という勇気をもらえるので、ぜひカンヌの事例を参考にしていただければと思います。

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