メジャーリーグで前人未踏の「50本塁打、50盗塁」を達成し、ポストシーズンで世界一に挑むドジャースの大谷翔平選手(30)は広告関係者からも注目の的。では、広告主は大谷起用をどう活かしているのか。本稿では各社の広告効果について、ネットの検索ボリュームの推移や株価推移に着目して、AdverTimes.編集部が分析した。
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大手より成長途上の企業が上位に食い込む
メジャーリーグでの活躍だけにとどまらず、世界中の人々を魅了し続ける大谷選手。ドジャースに移籍した2023年から2024年にかけては特に、多くのブランドが大谷選手をアンバサダーとして迎え、その影響力を存分に活用している。
企業が大谷選手を起用する理由として、「強さ」と「優しさ」を兼ね備えたイメージが挙げられるだろう。世界を舞台に挑戦し、活躍を続ける大谷選手を自社のイメージに重ね合わせたいと考える広告主はこれからも増えると思われる。
では、大谷選手を起用している中でどの企業がよりその恩恵を受けたのか。ここでは広告効果を測る指標のひとつとして「検索ボリュームの上昇」に着目。Yahoo! JAPANが保有する検索データや行動ビッグデータを用いて消費者分析ができる「DS.INSIGHT」を用いて、直近1年間の企業名・商品名の検索ボリュームの変化に注目した。
大手企業が名を連ねるなか、トップに立ったのは意外にもあの企業だった。
大谷選手起用CMの放映後の反響ランキング
注:各キーワードの期間平均ボリュームを「0」、標準偏差が「1」となるように検索ボリュームを変換。
まず、CM放送前後の検索ボリュームの変化を比較してみると、トップに立ったのはディップで2位以下と大きく差をつけた。2位はECC、3位はコスメデコルテ(コーセー)、4位はバンテリン(興和)と続く。大手よりも新興企業や非上場企業が上位に食い込んでいる点が興味深い。ナショナルクライアントよりも成長余地が大きく、大谷の知名度を起爆剤として活用するメリットが大きいといえる。

