広報、マーケティングなどコミュニケーションビジネスの世界には多様な「専門の仕事」があります。専門職としてのキャリアを積もうとした場合、自分なりのキャリアプランも必要とされます。現在、地方自治体のなかで広報職として活躍する人たちは、どのように自分のスキル形成について考えているのでしょうか。本コラムではリレー形式で、自身の考えをお話いただきます。佐用町・国広大樹さんからの紹介で今回、登場するのは兵庫県小野市の常深千子さんです。
Q1:現在の仕事内容について教えてください。
小野市で広報・SNS発信係に在籍して8年目になります。主な仕事は広報誌の作成とSNSの発信です。今年度は加えて、小野市が市制70周年を迎えたことを機に「ショート動画による情報発信プロジェクト」を立ち上げ運営をしました。このプロジェクトは、広報担当課の枠を外し、役職・年齢問わず全職員からメンバーを公募。すると、20代から60代、新人職員や再任用職員、管理職の方など48人がメンバーに入ってくれました。
動画の撮影や編集はメンバーが試行錯誤しながら自主的に行い、1年間で約150本、実に2~3日に1回の頻度でショート動画を発信するという、従来の広報担当者3人だけでは到底できない多種多様な情報発信をすることができました。
この活動を通じて、情報発信面の強化だけでなく、全職員の情報発信への理解・関心を高めることができ、また私自身も含めて多くの職員のスキルアップにもつながったと感じています。
当プロジェクトは6つのチームに分かれて活動。3カ月に1回、全員が集まる場を設け、意見交換や学びの時間に。
第1回プロジェクト会議では、1つの素材を個々に撮影・編集。人の数だけ表現や感性の違いがあることを改めて知るきっかけに。
半年間の活動を全職員に向け報告。
活動内容や効果、課題を提唱し、全職員に理解を求めました。
Q2:貴組織における広報部門が管轄する仕事の領域について教えてください。
広報・SNS発信係には3人が配属されています。月1回発行している広報誌は、毎号の特集を3人で順に担当。配属1年目の職員も8年目の私も、年4回特集を担当することになります。「編集会議」というものは設けていません。


