広報の専門性を高めるため、社会の変化や経営課題に応じてスキルと視点を磨き続けたい

広報、マーケティングなどコミュニケーションビジネスの世界には多様な「専門の仕事」があります。人事異動も多い日本企業の場合、専門職としてのキャリアを積もうとした場合、自分なりのキャリアプランも必要とされます。現在、企業のなかで広報職として活躍する人たちは、どのように自分のキャリアプランを考えていたのでしょうか。横のつながりも多い広報の世界。本コラムではリレー形式で、「広報の仕事とキャリア」をテーマにバトンをつないでいただきます。バリュエンスホールディングスの白井 優子さんからの紹介で今回登場するのは、東京センチュリーの藤村明美さんです。
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藤村明美氏

東京センチュリー
広報IR部 担当課長

新卒で資産運用会社に入社し、投信計理や投信企画に従事。その後、大手不動産デベロッパー企業を経て不動産テックベンチャー企業へ転職。「ひとり広報」としてメディア対応からオウンドメディア運用、社内広報まで広報全般を経験。2023年4月より東京センチュリーに入社。

Q1:現在の仕事の内容とは?

「環境に配慮した循環型経済社会の実現に貢献」を理念に掲げ、リースを祖業に「金融×サービス×事業」のビジネスモデルを展開する東京センチュリーの広報IR部に所属しています。

当社は、情報機器や自動車、航空機などのリースから、地域に根ざしたホテル運営や環境・エネルギー関連まで、多様な金融サービス・事業を50以上の国や地域で展開しています。リース物件であるモノを貸し出し、リース満了後は法令に従って適切な処分を行う、いわゆる3Rと呼ばれている「リデュース、リユース、リサイクル」という考え方を根幹に持ち、サーキュラーエコノミーにも積極的に取り組んでいます。

主な業務は、適時開示や任意開示などのニュースリリース作成やメディア対応に加えて、オウンドメディア「東京センチュリーNEWS」の運用全般、紙媒体への広告出稿、広報戦略の立案、危機管理広報などを担当しています。一般的に適時開示はIRの領域になりますが、IRチームと連携しながら業務を進めるなど、貴重な経験をさせてもらっています。

Q2:これまでの職歴は?

広報としてのキャリアは、3社目の不動産テックベンチャー企業時代からスタートしました。当時はデジタルマーケティング部でサービスサイトのディレクションおよびコンテンツマーケティングに携わっていましたが、役員の方から「広報をやってみないか」という打診を受けました。「もっと若手の方が良いのではないか」と一度はお断りしたものの「文章力を活かして地に足のついた硬派な広報活動を行ってほしい」と再度打診を受けて、広報の世界に足を踏み入れました。

未経験ながら試行錯誤し、会社初の大手経済紙への掲載を獲得した時の社内の盛り上がりは今でも忘れられません。継続的なパブリシティや、当時はまだベンチャーでは先進的であったSDGsに関連した各種施策およびメディアアプローチを通じて、同業の上場企業の広報の方からも一目置かれる企業にまで成長できたことは大きな財産であり、広報・PRの力を実感した瞬間でした。

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