「AdverTimes.」ではふだん、マーケティング・コミュニケーションの話題をお届けしていますが、週末向けのコンテンツも拡充していきます。その名も、「AdverTimes. TIMEOUT」。この記事では、昨今増加している「○○展」や「体験型イベント」について取り上げます。
近年、企業が開催する「○○展」や「体験型イベント」が増加している。これらのイベントが担うのは、単なる展示や商品紹介の役割にとどまらない。企業・ブランドのブランディングや消費者との距離を縮める戦略的な手段となっているのも特徴だ。中には、従来のPRからの脱却を目指すために「展示」を選んだ、という大手企業の声も聞こえている。
なぜ今企業は展示会型のプロモーションを仕掛けるのか。そして、その効果をどうとらえているのか。実際に開催された事例を紹介しながら、考察する。
実は裏テーマが存在? 巨大な商品オブジェが登場!
ユニークな仕掛けが魅力の展示型イベント活用例
1. 「ばくモレ展」(NTTドコモ)
NTTドコモが主催した「ばくモレ展」は、スマートフォンやデジタルコンテンツに関心のある層をターゲットにした写真展だ。
同社は、昨今気軽に投稿した画像や動画から個人情報が特定されるなど、若者のSNS投稿における個人情報漏洩が社会問題となっていることを受けて、本写真展を企画。SNS利用が活発になる春休み・卒業シーズンを前に、個人情報の“ばく漏れ”リスクを啓発し、安全なSNSの使い方を学ぶ機会を提供した。
企画を担当した東急エージェンシーの加部達彦氏は、実施背景について次のように語る。
「ドコモが取り組むべき社会課題を洗い出す中で着目したのが、SNSの情報漏洩問題でした。瞳に映る景色から生活圏がわかってしまったり、写真でピースした指から指紋を抜き取られ犯罪に悪用されるなど、驚きの流出箇所に企画としての大きな可能性を感じました」(加部氏)。
