家づくりの実話から生まれた「物語」、積水ハウス「住まいの参観日」の新CM

積水ハウスは、2024年に「住まいの参観日」35周年スペシャルコンテンツ『STORY & MY HOME』の特設Webサイトをオープン。24年8月にはCM「月のみちしるべ」篇、25年2月には「夫は時々立ち止まる」篇をオンエアしている。

実データ グラフィック 住まいの参観日 スペシャルサイト STORY & MY HOME

「住まいの参観日」は、これから家を建てることを検討している人たちが実際に建てられた家を見学し、家づくりについて知ることができるというもの。これは積水ハウスが長年取り組んでいる施策だ。

「施策の目的は『ブランド価値の向上とイベントへの来場促進』ですが、オリエンには更に興味深い注文がついていました」と話すのは、クリエイティブディレクションを手がけた平瀬謙太朗氏。「家を建てるお客さまはそれぞれまったく違う人生を歩んできていて、まるで『物語』のよう。それは98%が注文住宅の積水ハウスだからこそ気付けたこと。ブランドの価値を『物語』というテーマで表現したい」ということが、積水ハウスからの注文だった。

「オリエンの根底にあるのは、『お客さまには、家のデザインやスペックではなく、”家を建てる” ということの根源的な体験と価値を知っていただきたい』というブランドとしての願いでした。良質な家づくりにこだわる『積水ハウス』らしい、真っ当な願望に非常に好感を抱いた一方で、広告としてそれを表現するハードルの高さも感じました」

これまでも「住まいの参観日」のCMはオンエアされてきたが、2024年にスタートしたCMは従来のものとは趣がかなり異なる。従来は家族がある家を訪問し、見学するシーンを楽しく描いているという印象があるが、今回のCMやサイトで公開されたコンテンツはかなり静かな語り口。そこで重視されているのは「物語」だ。メインコピーは「だれかの建てた『物語』が、あなたの『物語』へとつながる日」。

こうした切り口になった背景について、平瀬氏は次のように語る。

「オリエンに対して素直に答えを出そうとすると、お客さまの家づくりの実話をそのままインタビューなどで表現することになりますが、チラシ・冊子・映像など、クライアントが過去に取り組んだ様々な施策には、表現方法としては似たものが多く存在していました。

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