広報、マーケティングなどコミュニケーションビジネスの世界には多様な「専門の仕事」があります。専門職としてのキャリアを積もうとした場合、自分なりのキャリアプランも必要とされます。現在、地方自治体のなかで広報職として活躍する人たちは、どのように自分のスキル形成について考えているのでしょうか。本コラムではリレー形式で、自身の考えをお話いただきます。栗原市の伊藤宏文さんからの紹介で今回登場するのは宮城県涌谷町の金野 暁さんです
Q1.現在の仕事内容について、教えてください。
日本初の産金地・涌谷町の金野暁と申します。はじめに、涌谷町について、簡単にご紹介させていただきます。
涌谷町は、宮城県の県庁所在地・仙台市から北に約50㎞のところに位置し、平成の大合併を選択しなかった人口1万4千人ほどの自治体です。
天平21(749)年に、時の天皇・聖武天皇が国家安寧のため、平城京で東大寺の大仏の造営を進めている中、当時は日本で金は採れないといわれおり、海外に頼っていた鍍金用の金が不足し、完成が危ぶまれていたところ、百済王朝の末裔となる百済王敬福が、涌谷町の地で日本初となる金を産出し、完成へと導きました。
金の産出を喜んだ聖武天皇は、元号を「天平」から「天平感宝」へと改元するほどの国家的一大事が起こった地となります。
令和元年に、その歴史・文化に基づいたストーリー「みちのくGOLD浪漫―黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる―」が文化庁によって、日本遺産に認定されました。
また、宮城県内有数の桜の名所として、「樅木は残った」で知られる涌谷伊達家居城跡の城山公園には、毎年、数万人の花見客が訪れます。
そのような歴史・文化が香る涌谷町において、入庁以来12年間にわたって広報業務に携わってきました。月に1回発行される「広報わくや」や公式ホームページ、SNS(Facebook、Instagram、X、Threads)、動画コンテンツ(YouTubeなど)のほか、日本遺産「みちのくGOLD浪漫」にかかわる情報発信(ホームページやSNS、動画コンテンツなど)、広報関連として涌谷町の個人版ふるさと納税にかかわる返礼品開拓、企業版ふるさと納税にかかわる寄附検討企業との折衝、地域おこし協力隊の採用・日々の業務管理などを担当しています。