社内公募で広報に転籍 “社内転職”がコミュニケーションに関わる仕事の可能性を拡げてくれた(ソニーグループ 石奈美子さん)

広報、マーケティングなどコミュニケーションビジネスの世界には多様な「専門の仕事」があります。人事異動も多い日本企業の場合、専門職としてのキャリアを積もうとした場合、自分なりのキャリアプランも必要とされます。現在、企業のなかで広報職として活躍する人たちは、どのように自分のキャリアプランを考えていたのでしょうか。横のつながりも多い広報の世界。本コラムではリレー形式で、「広報の仕事とキャリア」をテーマにバトンをつないでいただきます。ANAホールディングス・坂巻佑太さんからの紹介で今回登場するのは、ソニーグループの石奈美子さんです。

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石 奈美子氏

ソニーグループ 
広報部 
ゼネラルマネジャー

新卒でソニーに入社。半導体事業の経営企画を経験後、オーディオの海外マーケティングを担当。2015年から現在の広報業務に従事。

Q1:現在の仕事の内容とは?

ソニーグループでは、ゲーム、音楽、映画、エンタテインメント・テクノロジー&サービス、半導体、金融などの多様な事業を展開しています。グループ全体を束ねる役割として、コーポレートから技術領域まで幅広い対外的な広報活動を行っています。特にエンタテインメント関連事業の拠点は米国がメインとなることから、それらの事業との連携や、海外メディア対応などグローバルの広報活動にも注力しています。また、ソニーコーポレートブログというオウンドメディアも運営しており、会社の取り組みを発信することも強化しています。

ソニーコーポレートブログのトップページ。

Q2:これまでの職歴は?

私の経歴は、グループ内での多様な経験に支えられています。入社当初は半導体事業で経営企画業務の一環として本社広報・IRのリエゾンとして携わり、プレスリリースや取材サポートなど、この時に初めて広報業務に触れました。この経験が、後に現在の広報部への異動するきっかけとなりました。

元々音が好きで、オーディオ機器に携わることに憧れて入社したこともあり、その後、オーディオ事業の海外マーケティングに異動しました。ここでは、ヘッドホンや携帯音楽プレーヤー等々のコンシューマー製品を扱い、海外販売拠点との売上の進捗管理や販売促進、マーケティングコミュニケーションを担当しました。

特にマーケティングコミュニケーションでは、1つの商品をワールドワイドにどのように売り出するかを考え、魅力を伝えるための動画やアセットの製作、プロモーション企画に取り組みました。毎年海外で開催される家電見本市など、大きなイベントへの出展を山に、いかに世の中で話題作りをするか、というプランニングにも注力しました。この時の、ユーザー側に立った売り込み方の視点や経験は、今の広報活動でも非常に役立っています。また、この時のマーケティング業務でも、プレスリリースやコミュニケーション策定など、広報業務に関わる機会が多くあり、結果的に、ずっと広報という仕事とは縁がありました。

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