健康課題の解決につながる商品を訴求
産官学民連携で社会課題の解決を目指す「渋谷未来デザイン」は、「母の日」である5月第2日曜日を「母のウェルネスの日」として制定した。現在、主婦層における特定健診の実施率は3割未満にとどまり、母親世代の健康意識の低さが社会課題となっている。「母の日」をきっかけに、健康への関心も高める考えだ。
渋谷未来デザイン理事 兼 渋谷区副区長の松澤香氏(後列の左から4番目)など、プロジェクトの参加者
プロジェクトの一環として、同日を「母の血流の日」「母の歯の日」「母の肌の日」「母の自分らしさの日」と位置付けた。正式な記念日ではないが、それぞれのテーマに沿って花王やファンケルなどの共催企業が製品などを訴求する。体の部位やカテゴリーごとに訴求することで、母親自身にとってより身近な問題として意識してもらうことを意図している。
プロジェクトは今年1月中旬にスタートし、約3カ月で記念日の制定に至った。内閣府の調査によれば、男性よりも女性のほうがすべての世代において健康診断の受診率が低く、特に30~39歳では、男性77.9%に対して女性は63.6%にとどまっている。専業主婦やパートなど、正規雇用以外の層で受診率が低い傾向がある。
渋谷区においても女性の健康課題が見られる。渋谷未来デザインの調査では、体格指数(BMI)が18.5未満で「やせ」と判定される女性の割合は23.2%に上り、ウェルネス介入が必要とされる「フレイル予備軍」は17.5%に達している。
