大阪広告協会は5月29日、第77回定時社員総会を大阪市内で開き、関西地域の広告界に貢献した企業や個人を顕彰する第68回「大阪広告協会賞」「大阪広告協会賞 特別賞」と第58回「やってみなはれ佐治敬三賞」の贈賞を行った。
(左から)タケモトピアノの竹本功一氏、JR西日本の岡田学氏、大阪広告協会の山本晋也副理事長(朝日放送テレビ会長)、博報堂の宮原広志氏
大阪広告協会賞に選ばれたJR西日本は、1990年に開始したCM「三都物語」、2008年からの大阪駅での環境対策の取り組み、そして近年の北陸新幹線敦賀駅開業、複合商業施設「グラングリーン大阪」の玄関口としての「うめきたエリア」の街びらきなど、地域に根差した長年にわたる取り組みが評価された。
マーケティング本部鉄道マーケティング部長の岡田学氏は壇上で、「地域共生企業としての取り組み、マーケティングが評価されたことがうれしい。これからも、パーパスにもある『心を動かす。未来を動かす。』コミュニケーションをしていきたい」と喜びを表した。
特別賞を受賞したタケモトピアノ(大阪府堺市)は、1997年にテレビCMを開始。財津一郎を起用した「ピアノ売ってちょーだい」「もっともっとタケモット」のフレーズで知られる。同社の竹本功一会長は、「CMに関わってくれた財津一郎さん、CMを愛してくれた皆さまあってのこと。CMに対して赤ちゃんが泣きやむという噂でたくさんのお問い合わせをいただいた。これからは現CMのキャラクター、キリンを愛してもらって、もう一度賞に呼ばれるよう精進したい」と述べた。
「やってみなはれ」精神を行動に移せた
クリエイター対象の「やってみなはれ佐治敬三賞」を受賞したのは、博報堂のアクティベーションディレクター・宮原広志氏。手がけた金龍製麺の企画では2024年、ネガティブなニュースから話題化につなげた。大阪・道頓堀の「金龍ラーメン」は看板の一部が隣の土地にはみ出していると訴えられ、一部を撤去することに。その際に切り落とした龍の尾を近隣のカニ料理店のカニの立体看板と組み合わせて、期間限定で設置するという企画を提案した。
金龍ラーメンの尻尾を持って挨拶する宮原広志氏
宮原氏は壇上で、「金龍ラーメンの件はお笑いの街ならば受け入れられるのではと思った。つてがなく最初は店舗のスタッフの方に企画書を渡し、『社長に渡して』と伝えた。妄想で終わらせないでやってみて良かった。やってみなはれ精神を行動に移せたことがよかったと思う」とコメント。また、金龍ラーメンの尻尾を持って「コラボお待ちしています」とアピールした。


