MBTIがZ世代に刺さるワケ。Z世代が恐れているコト
MBTIが流行っているのは筆者が運営に関与している「若者の研究所」の学生と交流しているので肌で感じている。今回は、このMBTIがなぜZ世代に刺さっているのか、が気になるところだ。
あと、MBTIが流行っているのは、「相手との対立を避けたい」っていう深層心理がみんなの中にあるんじゃないですかね。
MBTIではタイプごとにあなたの性格・特徴を教えてくれる
ゼミの同級生のSさんの話なんですけど。
グループ課題の締め切りを守らない後輩をSさん説教したと。そうしたら、その後輩がゼミ外の友人やサークルの友人にSさんの悪口を言い始めて。インスタのDMとかLINEで「私は悪くない、Sさんに攻撃された!!」みたいな感じ。でも、その後輩が悪かったことは自明だったので、徐々にSさんの味方が増えて「後輩の子に問題がありそうだ」という雰囲気になっていきました。結局、その後輩はサークルもゼミも居場所がなくなって辞めちゃいました。
これを聞いて思ったことがあって。
今って、ゼミみたいなオフラインの場もSNSと繋っているじゃないですか。
だからオフラインの場所で居心地が悪くなると、オンラインの居心地が悪くなるんですよ。たとえば、LINEとか開くのも嫌になっちゃうんですよ。
僕も肌身離さずスマホを持っているわけですけど、そのスマホの持ち心地が、すごい悪くなるんだろうな、と思いました。
たとえ話でいうと、彼女と別れたら、彼女とのLINEとか、インスタの彼女のアカウントとか、目にしたくない。すると、自分のスマホ自体がすごいイヤな存在になる。
もう1個思ったことは、自分とその人の関係性が複数のコミュニティにまたがっているんですよ。だから、誰かと対立を起こすと、自分の他の交流関係にも影響が出るんです。
サークルとゼミが同じ友達がいたとして、その子と険悪になったら、サークルもゼミも行きづらくなるじゃないですか。
インスタのハッシュタグみたいなもので。僕の友達のAさんは#サークル友達 #バイト友達#授業友達#ゼミ友達みたいに4つのコミュニティでつながりがあるんです。
このAさんと対立すると、4つのコミュニティで僕は居場所を失うわけです。
そう考えると、MBTIって便利なツールなのかなって。色々なコミュニティでうまくやっていくためには、ひとりひとりの相手と自分の相性の良さも悪さも知っておきたい。
相性が悪いということがMBTIで事前にわかっていれば、相手のことも理解しやすいし、どこに気を遣って接すればいいかもわかりやすい。
まとめ
Z世代はよく「協調性が高い」といわれるが、その構造が理解できたかもしれない。「協調性が高い」というよりは「対立を避けたい」という自己防衛反応のような心理が感じられる。リアルとオンラインが24時間常時接続され、コミュニティがニューロン的に複雑に絡まっている中では、対立を避けることが必須である。彼らが恐れているのは、問題を起こすと複数のコミュニティに影響が起き、すべてが居心地が悪い空間になってしまうことなのだ。そういう意味で、MBTIは、相手と「うまくやる」ために便利なツールなのだろう。
