プリ・アルスエレクトロニカ 2025、サウンドアーティストevalaが「冨田勲特別賞」受賞

世界で最も歴史の長いメディアアートの国際的コンペティション「Prix Ars Electronica」は、7月7日に2025年の入賞作品を発表した。

同賞は1987年の創設以来、アート、テクノロジー、そして社会の交差点で刺激的なプロジェクトを実現する先駆者たちを表彰している。本年のコンペティションには、New Animation Art、Artificial Life & Intelligence、Digital Musics & Sound Art、u19–create your worldの4カテゴリーに98カ国から3987件の応募があった。最高賞となるゴールデン・ニカに選ばれたのは、下記の4作品。

また特別賞となるArs Electronica Award for Digital Humanityとthe Isao Tomita Special Prize(冨田勲特別賞)も発表となった。the Isao Tomita Special Prize(冨田勲特別賞)には、音楽家、サウンドアーティスト evala氏が選ばれた。

本賞は、20世紀を代表する作曲家で、シンセサイザー音楽の開拓者であり、生涯に渡りサラウンド(立体音響)への飽くなき探求を続けた冨田勲氏とそのクリエイティブ・スピリットを記念して、TOMITA information Hubとアルス・エレクトロニカが共同で授与する賞。ゴールデン・ニカ賞とは別に、2021年から隔年で授与されている。

今回は、evala氏が2024年12月14日~2025年3月9日にNTTインターコミュニケーション・センター [ICC] にて開催した個展「evala 現われる場 消滅する像」での新作《ebb tide》とこれまでの活動が評価された。日本人では初めての受賞となる。

本展は、サウンドアート展としては前例のない数の来場者を集めた。審査員は、この作品がサウンドアートを一般に広め、冨田勲が提唱した斬新な音楽やサウンドを大衆に届けるというビジョンと合致している点に大きな価値を見出したという。

9月3日〜7日に、オーストリア・リンツ市内のレントス美術館とギャラリーPOSTCITYにて、入賞作品の展示を行う。9月4日には、デザインセンター・リンツにて授賞式が開催される予定だ。

※受賞作品

New Animation Art  Golden Nica
「Requiem for an Exit」Thomas Kvam (ノルウェー), Frode Oldereid (ノルウェー)

Artificial Life & Intelligence  Golden Nica
Guanaquerx / Paula Gaetano Adi (アルゼンチン)

Digital Musics & Sound Art  Golden Nica
Organism / Navid Navab (イラン/カナダ), Garnet Willis (カナダ)

u19–create your world Young Professionals(14 – 19 years)  Golden Nica
Das Ziegenkäsemachen aus der Sicht der Ziege / Aleksa Jović (オーストリア), Nico Pflügler (オーストリア) (Gilbert Gnos Productions)

Ars Electronica Award for Digital Humanity
Synthetic Memories / Domestic Data Streamers (スペイン)

Isao Tomita Special Prize
ebb tide / evala (日本)

advertimes_endmark

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ