大日本除虫菊は6月27日、ラジオ放送開始から100年を記念し、180秒の特別ラジオCM「金鳥の夏」を琉球放送で流した。ナレーションから外国語のセリフ、効果音、音楽に至るまで、全てを生成AIツールで制作している。
舞台は近未来。経済システムが破綻し、混乱に陥った世界において、各国が「ネーミングライツ」を売ることで宇宙に移り住むための資金を調達するさまが描かれる。
大日本除虫菊「金鳥の夏」(180秒)。
大日本除虫菊「金鳥の夏」(180秒)
20××年。世界は混乱の極みにあった。
もはや世界経済のシステムは壊滅したのかもしれなかった。
2025年に勃発した貿易戦争は、人類史上最悪の連鎖的破綻を引き起こし、
いよいよ世界は、地球に住み続ける限界を迎えつつあった。
本格的に宇宙に移住するための資金調達合戦が始まった。
国々はいろんなものを売り出した。
初めは…ネーミングライツというのだろうか、
世界最高峰の山の名や、世界最長の川の名前、首都の名前、空港の名前など
“Ten million dollars! ..Twelve! Do I hear twenty? Twenty million!”
つぎつぎと売り出され、
“I won the bid!”
世界の富豪たちが買い漁っては
“I’m the successful bidder”
自分の名前をつけて悦に入っていた。
“It’s mine!”
New York Cityの名を中国の富豪が買い、
中国語:これワタシのもの「这是我的」
北京をインドの会社が買い、
ヒンディー語:手に入れたぞ!「समझ गया!」
フランス国名を埼玉県が買ったので混乱が混乱を呼んだ。
日本語「フレンチイズ埼玉!」
海峡の名も世界遺産も、あらゆるものが誰かの名前と入れ替わる頃、
いよいよ、なんだって売ってやろうということになってきた。
例えば季節である。日本は、春と秋を売った。
春は桜の花見とセットで高値で売れた。
日本にとって四季は、日本を日本たらしめる大切なものではあったが、
富士山を売り、寿司と天ぷらを売り、しまいには「おもてなし」や「おじぎ」、
活断層まで売るほどに、日本も必死であった。
Bakit hindi subukang bumili ng bagong gawang bagyo?
タガログ語:できたての台風いかが?
ある国は「出来立てほやほやの台風」を売り、
¡Vamos, pongámosle precio a este caos nacional!
スペイン語:さあ、この国の混乱に値段を!
ある国は「治安の悪さ」を売り飛ばした。
激化する国じまい商戦の中にあって、「いくら積んでも買えないものがある」という噂が世界を駆け巡った。
それは日本にあった。
季節にまつわるもの……「夏」である。
あれから日本は、春と秋に続いて冬も売ってしまっていた。
この際もうぜんぶ売ってしまえばいいんじゃないかというようなものであるが、
いち企業が頑なに首を縦に振らないという。世界がどよめいていた。
その企業とは・・・キンチョールやムエンダー、蚊取り線香などで有名な
大日本除虫菊、そう、「金鳥」である。
「『金鳥の夏、日本(ニッポン)の夏』これだけは世界がどないなっても
ゆずる訳にはいきませんのや」
人類が地球を手放す最後の日まで、人間たちを害虫から守りたいという強い想い。
そして金鳥は、いっときのお金なんかよりも、もっと大切なことを知っていた。
「そら、ずっと夏やったら、ねえ? うへへへ、うははははは」
金鳥の夏、日本(ニッポン)の夏。
この100周年記念ラジオCMのほか、大日本除虫菊では毎年恒例の夏のラジオCMを今年は2シリーズ展開。「思春期スケッチ」「気遣いムエンダー」(共に60秒×4本)で、6月から放映を行っている。それぞれ現在は、大日本除虫菊の公式サイトでも聞くことができる。
スタッフリスト
企画制作
電通 Creative KANSAI、ヒッツコーポレーション
CD+企画+C+演出
古川雅之
| Pr | 谷道忠 |
| PM | 山本麻由奈、田中美空 |
| MIX | 林貫志 |
| SE+作曲+演奏+歌唱+NA+出演(声) | AI |
| AI 音楽制作協力 | 遅沢淳 |
| AE | 新宅慶之、林雅也、多嶋田雅司 |

