元プロ野球選手・今浪隆博さんに聞く、「今浪クラス」がYouTubeで認知を上げる方法

プロ野球の世界に飛び込んだ人たちのセカンドキャリアに近年、注目が集まっている。NPBの調査によると、2024年に戦力外または現役引退した選手の進路の約8割が野球関係であり、内訳はプレイヤーとして続ける人だけでなく、監督コーチや球団職員、野球解説者など幅広い。

YouTubeに限定して考えるとテレビの延長で活躍している人が多く、多くの登録者数を有するチャンネルはレジェンドクラスの選手が運営していることが多い。そのなかで現役時代には北海道日本ハムファイターズと東京ヤクルトスワローズの2球団で11年間にわたって活躍し、引退後は監督やスポーツメンタルコーチとして活躍されている今浪隆博さんのYouTubeチャンネル「今浪隆博のスポーツメンタルTV」が、登録者数12万人を超えるなど、好調だ。特にこのチャンネルで人気なのが、「二軍ネタ」。「プロ野球の二軍と一流社会人企業チームはどっちが強いの?」などの「二軍ネタ」や「なんでプロ野球選手は金のネックレスを着けているの?」などのプロ野球に対する素朴な疑問などが魅力的なコンテンツとなり、ファンを増やしてきた。

これまで、プロ野球選手が引退後にメディアで活躍する際には、テレビをはじめとしたマスメディアを主戦場とすることが多かった。なぜ、今浪氏はYouTubeを選んだのか。またどうして群雄割拠のYouTubeの世界でファンを増やすことができたのか。今浪隆博さんにプロ野球選手のセカンドキャリアとYouTubeについてのお考えについてお話を伺った。

※本記事は情報、メディア、コミュニケーション、ジャーナリズムについて学びたい人たちのために、おもに学部レベルの教育を2年間にわたって行う教育組織である、東京大学大学院情報学環教育部の有志と『宣伝会議』編集部が連携して実施する「宣伝会議学生記者」企画によって制作されたものです。企画・取材・執筆をすべて教育部の学生が自ら行っています。
※本記事の企画・取材・執筆は教育部所属の石崎正文、取材は平松優太が担当しました。

認知拡大のため、現役時代から好きだったYouTubeの世界へ

━━北海道日本ハムファイターズと東京ヤクルトスワローズの2球団で11年間にわたり選手として活躍され、引退した現在はどのようなお仕事をされていますか。

メインの仕事はスポーツメンタルコーチと監督業で、YouTubeは仕事という感覚ではないんです。ただ週に1回、高校時代からの友人に協力してもらい撮影を行い、僕が動画を持ち帰って隙間時間を見つけて編集をして、配信しています。

━━YouTubeを始めたきっかけについて教えてください。

おそらくですが、日本のプロ野球選手で初めて、メディアの方の前で「YouTuberになりたい」と発言したのは、僕なのではないかと思います。その発言をしたのは今から約15年前で、北海道日本ハムファイターズに所属していた頃、一軍に登録されはじめて少し経った頃だったと記憶しています。そのくらい、昔からYouTubeを見ることが好きでYouTuberになりたいと思っていたのです。

でも僕がプロ野球選手を引退する2017年頃になると、もうYouTubeは多くの方々が始めていました。引退した選手の方のチャンネルも複数あり、それで引退した当初はYouTubeを始める気はありませんでした。引退してまず始めたのは、スポーツメンタルコーチの勉強です。

しかし、いざスポーツメンタルコーチとして活動を始めてみたところ、自分が想像した以上に自分自身の認知度が低いことに気づきました。その時は、ゴリラクリニックベースボールの監督業務をやっていたので、特に焦ることもなかったのですが、どこかのタイミングで僕自身の認知、そしてスポーツメンタルに関する認知を上げることが必要だと感じていました。そこでYouTubeを始めることを思いついたのです。

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