フランスのカンヌで6月16~20日に開催された世界最大のクリエイティビティの祭典「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」。開催期間中に、現地にて日本経済新聞社 主催で日本の事業会社向けの「朝会」が実施され、味の素 マーケティングデザインセンター副センタ―長 兼 コミュニケーションデザイン部長 向井育子氏とモデレーターを務めたPRストラテジスト本田哲也氏が対談した。内容をレポートする。
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クリエイティビティ起点でグローバル認知の拡大を
本田
:今回の「朝会」会場には事業会社の方が多いので、ぜひ味の素がカンヌライオンズに参加した目的や意義からお聞かせください。
向井
:私たちが事業をしている中で、誰かに何かを伝えようとするとき、「伝えることの中身をどれほど良くできるか?」と、「それをどのように最大化できるか?」が重要で、その実現にはやはりクリエイティビティが欠かせません。カンヌライオンズは単なる広告祭ではなく、ビジネス・マーケティングにおける重要要素が詰まっていると捉えています。世界中のより良い事例を通じて私たちの知見を高め、コミュニケーションの質と効果の最大化につなげたいと思い、今回参加しました。
本田
:その観点は大事ですね。みなさんご存知のとおり、広告祭という顔をもっているカンヌライオンズですが、2011年から「カンヌ広告祭」から「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」に名称が変わりました。クリエイティビティの範囲には、ビジネスそのものや社会課題の解決が含まれており、カンヌライオンズ自体が広義になりました。参加者はクリエイターだけではなく、事業会社のマーケターや経営層にも広がっています。そういった面が日本ではまだあまり伝わっていないところもありますよね。社内的にはカンヌライオンズへの参加はスムーズに理解されましたか?
