「睡眠不足の状態をあえて作る」製薬会社がゲームコントローラーを開発した理由

医薬品メーカーの エスエス製薬は、睡眠不足時のパフォーマンス低下を体感できるゲームコントローラー「NEBUCON(ネブコン)」を開発した。7月5日に主催したeスポーツ大会「SLEEP FIGHTERⅡ(スリープファイターⅡ)」において、参加者の睡眠状態を確認する事前「睡眠計量」時に初披露したほか、大会会場でも同コントローラーを体験できる試遊台を設置。睡眠改善薬「ドリエル」を軸とする「能動睡眠プロジェクト」の一環で、eスポーツ業界に根強い睡眠不足問題に着目し、ゲーム体験を通じて行動変容を促す狙い。

イメージ 7月5日のeスポーツ大会「SLEEP FIGHTERⅡ」に設置されたネブコンの試遊台。観戦者が操作し、睡眠不足を再現する仕組みを体験する場が設けられた

7月5日のeスポーツ大会「SLEEP FIGHTERⅡ」に設置されたネブコンの試遊台。観戦者が操作し、睡眠不足を再現する仕組みを体験する場が設けられた

「6時間睡眠」だと反応が遅れる仕様に

ネブコンは、睡眠不足の状態をゲーム操作で疑似体験できる専用コントローラー。操作中に反応が遅れる「寝不足モード」と、ボタン配置が5秒ごとに自動で切り替わる「ランダムモード」を搭載し、判断遅延や入力の混乱を再現する。

イメージ 寝不足体感コントローラー「ネブコン」。

寝不足体感コントローラー「ネブコン」。6時間以下の睡眠が認知能力やミスに影響する研究をもとに、6時間から徹夜状態まで3段階の寝不足モードを搭載。5秒ごとにボタン配置が自動で変わるランダムモードも備え、睡眠不足によるパフォーマンス低下を体験できる。

開発はゲーミングデバイスブランドBrook Gamingや、アーケードコントローラービルダー(業務用・競技用のカスタムコントローラーを自作・調整する専門家)Ponta氏などが協力し、競技環境に合わせた操作性を確保した。

「睡眠不足がパフォーマンスに及ぼす怖さ」の体感を

ネブコンの開発は、eスポーツに根付く慢性的な睡眠不足への問題意識から始まった。競技に没頭するプレイヤーの多くが生活リズムを崩し、十分な睡眠を取れない状況が続いている。担当者は「寝不足がパフォーマンスに悪影響を与えることは知識として理解されていても、実際にどの程度影響があるかは本人が実感しにくい課題があった」と説明する。

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