「顧客」を「推し顧客」に引き上げる
テレビショッピングのマーケティング支援からはじまり、ダイレクトビジネス領域に強みを持つ大広。近年は「お客さまと直接つながれるビジネスはすべてダイレクトビジネス」(マーケティングディレクターの大谷拓氏)という意識で活動を続けている。人口減少やライフスタイルの多様化を背景に、従来型のマスマーケティングのみで課題を解決することは難しい時代。クライアントのビジネス成長にコミットするために大広は、新たなプランニングWAY「ダイレクトドリブン・マーケティング」を提供している。
大谷氏は大広のフィロソフィー「顧客こそ、最大の資産である」に触れながら、「ここでいう顧客とは、今つながっている方だけではなく、まだ関係性がない未顧客も全てを顧客という言葉でくくっています」とその前提となる世界観についても話した。その上で、ダイレクトドリブン・マーケティングでは、広告活動で単に顧客を獲得するだけにとどまらず、そのロイヤル化、さらにはブランドや商品を「推し」として扱う「推し顧客」にまで引き上げることを目指す。
大広 ストラテジックプランニング局 マーケティングディレクター 大谷拓 氏
感動体験を提供し続けるための3ステップ
ダイレクトドリブン・マーケティングは、(1)プランニングゴール設定、(2)感動CX(感動体験)設計、(3)伴走型PDCAマネジメントの3ステップで構成されており、大谷氏が各ステップの解説を行った。
最初のプランニングゴール設定について大谷氏は「マーケティングが難しくなっているからこそ、何に向かってマーケティングするのかをしっかり決めないといけない時代になっている」と指摘した。ゴールを理解するためには量的、質的な両面での理解が重要だ。大谷氏はそれぞれの理解について図を用いながら解説した。
量的な理解では、売上の構造や購買にいたるプロセスを分解し、どこに課題があり、その課題に対応できるKPI設定が必要となる。質的な面ではフルファネルで顧客とどのような関係を築き、どのような価値を提供できているのかを理解することが大事だと説いた。質的な理解に関しては「n=1のインタビューなども活用し、お客さまの理解を徹底的に深めていくことが大事です」(大谷氏)
次に、最初のステップで明らかになった顧客の状態をもとに、顧客の状況を変えるためのプランニングを行う。大谷氏は「お客さまとの関係性を飛躍的に高めていく方法としては、感動CX、感動体験というものが非常に大事になると考えている」と話し、その体験は心を強く揺さぶり、ブランドへの愛着が大きく高まる「リアルな場での体験」がそれにあたると紹介した。現代人は日々大量の情報を摂取しているため、小さな情報では届かない。顧客との関係を深めるためにはリアルな体験によって感情をゆさぶっていくことが重要だと提案した。
「感動」とは驚きや涙をさそうような激しいものだけではなく、さまざまな心の動きが顧客の心理に作用する。マーケティングディレクターの中間陽介氏はその一例として、自身が娘のランドセルを購入した際に、販売店から受け取ったDMに「ランドセル選びの1日を家族の素敵な思い出にしてください」というメッセージとともに店舗周辺の施設紹介マップが添えられていたという体験を紹介した。
大広 ストラテジックプランニング局 マーケティングディレクター 中間陽介 氏
大谷氏は「ファネルを認知から愛用へお客さまとの関係を育てるというと、じわじわ時間をかけるイメージがあると思うが、リアルな場での感動体験があると一気に“推し顧客”へ移行できる。こういう体験をつくることができれば、情報過多な状況でも埋もれずに輝くことができる」と話した。
感動体験を通じて一気にロイヤルティを高めることができればその関係性は持続性が期待でき、推奨にもつながる。大広がこうした「推し顧客」を増やすことを提案するのは、「ファン」のさらに先の存在があるのではないかと考えているからだ。大谷氏はサッカーのファンとサポーターの違いを例に出しながら「推し顧客が増えるとその人たちは自分のお金と時間をブランドに合わせて調整してくれるのではないか。究極的にはお客さまが次のお客さまを広告費ゼロで連れてきてくれる、そんなところまで行けば素敵な関係になると思っている」と話した。
また、この感動体験の設計では、ファネルのどこで顧客との関係構築の課題があるかを注意深く観察することで事業に効く体験が作れると似ついても触れた。
3つ目のステップは2つ目のステップまでを検証し、PDCAを回すことだ。デジタル化によってさまざまなデータを取得できることを生かし、(1)エグゼキューションPDCA、(2)マーケティングPDCA、(3)ビジネスPDCAの3つサイクルを回すことが求められる。ここでは、単に施策の効果検証で終わるのではなく「事業にちゃんとヒットしているかを見ていくことが大事なポイント」(大谷氏)と話した。
各領域のプロフェッショナルによる支援体制
すでにダイレクトドリブン・マーケティングを実践する企業は増えており、中間氏がケーススタディとして大人男性用スキンケアブランド、こだわりチューハイ、進学塾、アパレル通販、大広の採用活動についてそれぞれ紹介・解説した。異なる業種、商品、サービス内容で抱える課題もさまざまながら、ダイレクトドリブン・マーケティングが推奨する3ステップと感動体験の設計によって機能できると強調した。
大谷氏と中間氏はいずれも同じマーケティングプランナーとして業務についているが、実際のダイレクトドリブン・マーケティングではクリエイティブ、ストラテジー、データなど各領域のプロフェッショナルが総動員でプランニングを行い、感動体験を設計し、PDCAを回していると話し「興味のある方はぜひお問い合わせください」と講演を締めくくった。

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