稲盛和夫の危惧が生んだ京セラの宝飾事業、エメラルド製造成功から50年

京セラは、宝飾事業が今年50周年を迎えたことを記念し、特別モデルのジュエリーを販売すると発表した。

また50周年記念サイトを公開しており、「木漏れ日の情景」「神秘の星空」などと名付けられた特別コレクションについて紹介しているほか、宝飾事業が始まった背景や歴史についても掲載している。

50周年記念ジュエリー。

同社は、ファインセラミックの製造で培った結晶技術を応用して宝石の開発に着手。1975年にエメラルドの製造に成功している。

当時、天然宝石の価格が高騰し質の低下も懸念される中、創業者である稲盛和夫は、宝石本来の魅力である「人に夢を与え、心を豊かにすること」が忘れられつつあることを危惧。自然界に見いだすことが難しくなってきた宝石本来の美しさを結晶技術で再現し「宝石を身につける喜びを提供したい」との思いから、宝飾事業がスタートした。

現在は「クレサンベール」ブランドとして、サファイアやルビーなど12種の宝石を海外でも展開しており、2025年3月期の売上高は前年同期に比べ25%増となった。クレサンベールと天然の宝石は、化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがないとされる。

昨今、天然石は、採掘時の過酷な労働環境や資源の枯渇などが問題視されており、エシカル消費の観点から、研究所(ラボ)で育てられた、ラボグロウン宝石に対する関心が高まっている。

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