この連載では、フリーランスとの協業において「職種やスキルだけで人を選ぶ時代」から、「価値の届け方や関係性で選ぶ時代」へとシフトしていることを
でお伝えしました。実際、同じ「デザイナー」でも、分析やリサーチが得意な人と感性表現が得意な人では、プロジェクトでの活かし方が全く異なります。
は、人柄や価値観への共感を通じて選ばれる「応援共感型」フリーランスの特徴と活用方法を紹介しました。このタイプは関係性の積み重ねから仕事が生まれ、長期的なパートナーシップを築くのが得意でした。
今回取り上げるのは、応援共感型とは異なり、論理的な説明よりも直感的な表現力で勝負する「感性表現型」フリーランスです。作品やアウトプットの質で選ばれるこのタイプの特徴と活用ポイントを詳しく見ていきましょう。
感性表現型とは?──作品の「質」と「感性」で選ばれるフリーランス
感性表現型は、論理的な企画書や詳細な説明よりも、実際に手がけた作品やアウトプットの質で評価されるタイプです。このタイプの最大の特徴は、言葉では表現しきれない価値を、ビジュアルや体験として具現化する力に長けていること。
クライアントが「なんとなくこんな感じで」「もっとこう、心に響くような」といった曖昧な要望を出したときに、その感性を汲み取り形にするのが得意です。論理的な根拠よりも、見た人・体験した人の感情に直接訴えかける力を持っています。
特徴的なのは、ポートフォリオや過去の制作物を見ただけで「この人に頼みたい」と感じさせる表現力。スキルの説明よりも「作品が語る」ことで選ばれるのが、このタイプの強みです。
このタイプの人は、「感じたことを形にする」ことに喜びを感じており、クライアントの想いを自分なりに解釈し、独自の表現として昇華させることにやりがいを見出しています。
実例で見る感性表現型:ユウタさん(29歳/イラストレーター・アーティスト)
美術大学でグラフィックデザインを学んだユウタさんは、イラストレーション制作を中心に、ブランドロゴやキャラクターデザインまで幅広く手がけるフリーランスです。彼の特徴は、クライアントから「かっこよく」「おしゃれに」「印象的に」といった感覚的な要望を受けたときに、その場でラフスケッチを描いて方向性を共有できること。
