TBS問題が示した、広告と情報の曖昧さが生む「ステマリスク」 誤解を招かない方法とは

作り手の横着や過度なコスト意識に注意

放送倫理・番組向上機構(BPO)は7月11日、TBSテレビの情報番組に対して放送倫理違反があったと報告した。番組で紹介された企業がCMにも登場したことで「番組と広告の識別」が問題視された。Webメディアにおいても広告と記事の境目があいまいになる中、メディアとスポンサーはどのようなことに気を付けるべきか。メディア研究者・水島宏明氏(桜美林大学/目白大学 非常勤講師)に話を聞いた。

2024年10月19日に放送したバラエティー番組「熱狂マニアさん!」2時間スペシャルにおいて、家具・インテリアを扱う大手企業ニトリを全編で紹介したところ、同番組のCMでも同社が登場したことから、視聴者から「広告ではないのか」との声が相次いだ。

「熱狂マニアさん」は、特定のジャンルや商品に熱意や愛情を注いでいる人物(マニア)を取り上げ、熱中しているものやその熱中ぶりにスポットを当てた番組。問題の番組ではニトリ1社のみを全編で紹介したほか、ほとんどの放送時間で画面の左上に同社のロゴマークを表示していた。

7月11日に千代田放送会館で開催された「第208回放送倫理検証委員会」で当該番組への意見の通知・公表について報告。番組制作の検証と関係者へのヒアリングの結果、「番組と広告の識別に対する認識や検討が不十分」「番組の提供スポンサーが当該企業であるという情報共有が十分に行われておらず、視聴者に疑念を抱かせた」「こうした事態を事前に防止する役割を担うべき考査が、その責務を十分に果たせなかった」などと指摘。民放連の放送基準第92項および「留意事項」に違反しており、放送倫理上の問題があったと結論づけた。

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