「ばかうけ」「星たべよ」などの米菓を製造販売する栗山米菓は7月28日に、同社の物流改革に関する記者説明会を開催。「物流2024年問題」への対応として、2023年11月から現場主導で進めてきた取り組みの成果をメディアに向けて説明した。説明会は栗山米菓 新潟本社とオンラインのハイブリッド形式で行った。
説明会に登壇した栗山米菓 代表取締役社長の栗山大河氏(画像左)と物流管理部部長の阿部真也氏(画像右)。
説明会の冒頭では、2025年4月に代表取締役社長に就任した栗山大河氏が登壇。栗山氏は大学を卒業後、平和堂を経て2020年に家業である栗山米菓に入社。社長就任以前から、企業が持続的に成長するために自身が果たすべき役割を模索。同社の強みである「商品ブランド」と「従業員」がより価値を発揮できるよう、新しいPR施策の検討や品質保証部の体制改善、従業員が安心してチャレンジできる職場環境の構築などに取り組んできた。
社長就任後に実行したこととして栗山氏は、情報システム部門の独立、AIイノベーション推進室の設置、そして物流改革の3点を挙げた。
「日本の豊かな食文化を守るためにも、物流の効率化は私たちメーカーにとっての使命でもあり、今後も主体的に取り組んでいきたいと考えています」と栗山氏は語った。
「若くして社長に就かせていただいたからには、柔軟な発想とスピード感を武器に、経営を行っていきたい」と栗山社長。
続いて、物流施策の具体的内容と成果報告を物流管理部部長の阿部真也氏が行った。
同社が取り組んだ主な課題は、①製品出荷におけるパレット化の推進、②荷待ち・荷役時間の短縮、③賞味期限表示の年月化。上記表のような施策により、荷待ち・荷役(貨物の積み込みや荷下ろしなどの作業)時間が3分の1に短縮。また、レンタルパレット導入により商品を運んだ後の空きパレットを自社で回収する必要がなくなり、その分のトラックの走行が不要になるなど、成果が生まれている。
「バラ積み」から「パレット積み」に順次変更し(現在、パレット化率60%)、荷物の積み込み、積みおろしが効率化されたことも、荷待ち・荷役時間の短縮につながった。
今後の目標として栗山米菓は、物流改革の深化と地域連携の強化を掲げている。
「物流業務の大部分を外部委託している当社では、当初は問題意識が薄かったのですが、トラック不足の影響や研究会への参画を通して、お客さまに商品を供給できないリスクが顕在化しかねないことが分かりました。全社横断で物流改革を推進し、大きく改善できたので、今後も社内外の力を合わせて改革を進めていきたいと考えています」と阿部氏は語った。




