「橋」って私たちにとってどんな存在?
東京都立王子総合高等学校で講師を務めたのは藤曲旦子さん(ドリル)です。高校3年生約30名が、昨年度の課題のひとつ「川田工業の魅力を伝えるアイデア」を考えました。
橋や高層ビル、学校など、大きな建物をつくる川田工業。「社員さんたちが 日々、試行錯誤してつくっているものは私たちにとってどんな存在なんだろう?」「橋があることで、どんな物語が生まれる?」――藤曲さんと、川田工業のWebサイトを元に、ヒントとなるキーワードを探していきました。
コピーの役割は、「なるほど、たしかに!」「そうなんだ!」「わかる!」と納得してもらうこと、共感してもらうこと。その切り口を見つける「発見」が大事だと、藤曲さんは説明します。
ワークショップではほんの短い時間で、10本のコピーを書いた生徒さんも。「思ったより楽しく考えることができた」「ほかにも色々なキャッチコピーを見てみたい」「ひとつ考えるとアイデアがたくさんでてきた」と話していました。
生徒が書いたコピーに、藤曲さんがフィードバックを行いました。
あれもこれも、実はコピーライターの仕事
東京都立大泉高等学校附属中学校の授業に参加したのは、中学2年生約40名。講師を務めたのは、コピーライターの片岡良子さん(CHERRY)です。片岡さんのこれまでの仕事と共に、「実はこんな仕事もある」と、コピーライターの役割を紹介していきました。
生徒たちが挑戦したテーマは「日本郵船グループのことを表現する一言のアイデア」です。日本郵船グループが運航する船の数はなんと886隻。資源や物資を運んで日常生活を支えるという地球規模の仕事を、どうやってひと言で表現したらいいのでしょうか?日本郵船広報グループの髙倉康輔さんの解説や、片岡さんのヒントを元にコピーを考えました。
授業を担当した同校知的探究部の三好健介先生は「テストだけでは見取ることの難しかった力が発揮され、評価の物差しを問い直される授業となりました」と話します。
「読解や漢字に苦手意識をもつ生徒が、仲間を唸らせるコピーを生む。企業のリアルな課題に挑む中で生徒の意欲に火がつき、その力が引き出され、真の学びが実現されていきます。コピーづくりは、言葉による問題解決を体験する学びであり、探究活動やアントレプレナーシップとも響き合います。情報が溢れるこの時代に、言葉とじっくり向き合った時間は、生徒にも教師にも、かけがえのないものとなりました」(三好先生)。
参加した生徒からは「コピーライターの仕事の幅広さに驚いた」「ひとつの物事を様々な視点から考える力が身に着いた」「広告をネガティブなものだととらえがちだったけれど、そのなかにある表現の深さや魅力に気づくことができた」といった声が上がりました。
コピーライターの片岡さん、日本郵船の髙倉さんのアドバイスのもと、コピーを考えました。
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