月間総再生数8億回を超えるPlottのIP 秘訣はユーザー属性に合った施策にあり

6月27日に開催された宣伝会議主催の「IPビジネスカンファレンス2025」に、Plottの取締役を務める山田雄介氏が登壇。「若者に届かない時代に、PlottのIPが刺さる理由とは」というテーマを掲げ、同社がいかにしてYouTubeやTikTokといったSNSプラットフォームのIPで成果を出し続けているかを解説した。

写真 人物

「作る・広げる・売る」をカバー

Plottは、YouTubeやTikTokといった10代~20代の多いSNS向けのアニメーションIPを制作し、ビジネス展開している。YouTubeではショートアニメーションを投稿し、総再生数は150億回規模で、月間総再生数は8億回を突破。10チャンネル以上を運営し、合計チャンネル登録者数は1200万人超えだ。同社制作の「テイコウペンギン」や「混血のカレコレ」といったIPではゲームやグッズ、イベント、オフラインライブ、ミュージックビデオといった幅広いジャンルで二次展開を生み出している。

また、2年ほど前からwebtoonという縦型のカラー漫画の市場にも参入するなど、IPを最大限に生かしたビジネスを展開。「IPビジネスとして、SNSからIPを生み、YouTube上のアニメーションで広げ、ライセンスビジネスやゲーム化でマネタイズを仕掛ける展開を繰り広げている」と取締役の山田氏は話す。webtoon出版やアニメーション、メーカー、ゲームなど、Plottは幅広い機能を持ち、「作る・広げる・売る」のすべてをカバーしているという。

ユーザーと直接つながる次世代アニメコンテンツ

ショートアニメーションというと、テレビアニメーションほど耳馴染みはないかもしれないが、山田氏は「YouTuberとテレビアニメーションの両方の強みを兼ね備えた次世代のアニメコンテンツがショートアニメーション。YouTuberの強みは接触頻度の多さと訴求力で、テレビアニメーションの強みはストーリー形成力とIP力、コアファンの形成力にある」と語る。

テレビアニメーションは週に1回、20~30分のアニメ放送だが、YouTuberは毎日投稿する人もいるなど、接触頻度が多い。Plottは1チャンネルあたり月に10数回と、接触頻度を保っている。YouTuberのもうひとつの強みは訴求力。ユーザーとの距離が近く、人気YouTuberが商品を紹介すると売り切れてしまうことも珍しくない。このYouTuberの強みをアニメーションに落とし込むことで、ユーザーと直接接点を持った次世代のアニメコンテンツに仕上がっているという。

写真 カンファレンスの様子

実際、YouTubeでPlottは、アニメーションのみを投稿する国内チャンネルの再生数順位の上位を占めている。他の上位チャンネルは個人クリエイターがほとんどで、Plottの規模感で事業を展開している企業は他にはない。山田氏は、他社と協業しているIPのビジネス事例として「ドラゴン娘になりたくないっ!」というIPを挙げ、「これは小学館様とご一緒させていただいた作品で、トレーディングカードゲームのデュエルマスターズに登場するクリーチャーが女の子として登場し、学園生活を送るというIP。リリースしてわずか3ヵ月で、YouTubeの月間再生回数3000万回を達成した」と語った。

再生数と再現性は「ファンプール」がカギを握る

Plottの再生数が伸びる理由、IPでの高い再現性の秘訣、そのひとつに「ファンプール」が挙げられると山田雄介氏は話す。そもそもPlottはSNSの黎明期から市場に参入しており、YouTubeでのアニメーションを始めて7年になる。その間、SNSのプラットフォームはTikTokやYouTubeショートの誕生など、幾度も環境変化を迎えたが、変化を乗り越える中でノウハウを保有し、IPに活かして再現性を持たせ、ここまで拡大してきた。

山田氏は「SNSは相互送客が働くプラットフォーム。動画の中で新たなIPが生まれると、既存のIPとコラボし、そこで新チャンネルにファンを獲得できるなど、拡大したからこそファンプールが自社の中で広がるのがPlottの強み」と語る。

実際にこうしたコラボによるブースト力は強く、SNS特有の「見つけることの難しさ」もない。しかし、ただコラボするだけではなく、新IPリリース後は、良質なクリエイティブのコンテンツを一定数チャンネルにプールし、そのうえで他IPのチャンネルとコラボする。そうすることで、認知拡大だけでなくユーザーが定着し、それによってバズを意図的に生み出せるという。

データ分析を欠かさず、継続的な成果へ

YouTubeのアルゴリズム上、重厚長大な動画を月数本投稿するより、頻繁に投稿する方が有利とされている。Plottではそういった接触頻度を大切にしており、現在は社内のチームメンバーと社外の提携クリエイター、企業、個人と制作ラインを組み、毎日新作動画をアップし続け、視聴の習慣化を図っていると山田氏は明かした。こうした、根底にある泥臭さが拡大を生んでいるというのだが、Plottはただ投稿して終わりではなく、毎日のデータ分析も欠かさない。

視聴者の年代や性別、その条件に該当する層がどんなコンテンツに興味を持ち、どんな動画が伸びているかをリサーチ。「このIPでその流行を再現できるか」を考え、ショート動画の尺が1分から3分まで伸びたことにより「このコンテンツにおける尺の最適化は何だ」と立ち返るなど、月に何百本と投稿すると同時に分析を欠かさず、マーケット・コンテンツに向き合っているといい、こういったハードワークをこなした結果、Plottは昨年比で再生数150%と大きく成長している。

「混血のカレコレ」がコンビニとコラボした事例では、商品購入数に応じてグッズがもらえるキャンペーンや、店頭での物販や店内放送などを実施。そもそも、「混血のカレコレ」のファン層は10代~20代が多く、クレジット決済ができない年齢のファンもいる。そのためオンラインでグッズ販売をしても購入できないケースがある。また、ポップアップストアにおいても、中高生では住んでいる地域以外に行くことが難しい場合が多い。どんな地域でもアクセスしやすいコンビニとコラボしたことにより、最大で14万個のグッズを販売するなどの実例にも繋がっていると山田氏は話した。
アプローチしたい層に合わせた売り場所を展開することで、多くのユーザーを動かせることが分かったという。

また、テイコウペンギンをスマートフォンゲーム化した際は、1か月で約7万DLされた。コンビニというオフライン施設でも、ゲーム等のオンライン展開でも大きな事例に繋がっているようだ。

山田氏は、「改めて、Plottが幅広い領域で実績を作り、再現性を持っている理由は、アニメーションの強みであるキャラクターが生きるIPの魅力・訴求力の強さ・接触頻度の多さにある。分析を繰り返し、ユーザー属性に合った取り組みを意識することで成果につながっている」と締めくくった。

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お問い合わせ

Plott

Email:pr@plott.tokyo

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