長崎新聞社は、原爆投下から80年を迎える節目の年に合わせ、8月9日の朝刊に特別広告『平和企画』を掲載した。
本企画は2020年に開始し、「想像力を抑止力に」をテーマに核兵器廃絶を訴えてきたシリーズ広告。第6弾となる今年は、30段広告・15段広告の他、7つの5段広告で構成し、被爆証言をもとに「原爆投下後の地獄絵」を紙面上で表現した。
30段(見開き全面)広告に描かれたのは、黒い塊。そこに添えられたコピーは「黒焦げで、人とも物ともわからない。」。それを読むと、その形が実は「人」であることがわかる。
30段広告 コピー:黒焦げで、人とも物ともわからない。
「ウクライナやガザでの紛争が長期化し、世界各地で分断が強まる中、核兵器使用のリスクは高まっています。またトランプ大統領がイランの核施設を攻撃し、そのことを広島・長崎になぞらえた発言や、日本でも選挙の際に「核武装は安上がり」といった発言が問題となりました。核兵器がもたらす被害を伝えていく重要性が増す中で、被爆者の平均年齢は86歳を超え、その体験の継承が課題となっています」と、クリエイティブディレクター 鳥巣智行氏。
被爆80年となる今年の企画は、長崎新聞が1996年から続ける連載「私の被爆ノート」に記録された証言をもとに制作したという。ちなみに「私の被爆ノート」の連載は、今年7月までに1200回を超えている。
