小学生の頃、嫌いな先生がいました。その先生は授業の途中、何度も何度も繰り返し「先生の言ってる意味わかりますかー?」と言うのです。
その言葉を言われるたび、幼心になんとも言えないモヤモヤとした気持ちが胸に去来していたのを今でも鮮明に覚えています。
今なら胸を張って堂々と、目を合わせずになら伝えられます。いやちがうだろと。言ってる意味がわかるように伝えるのが先生、あなたの仕事だろう、と。意味が伝わっているか確認しなければいけない程度の伝達力しか持っていないと、自らカミングアウトしているようなもんだぞ、と。
ちなみにこの「言ってる意味わかる?」は、社会に出てからも相当な頻度で遭遇する単語。自分自身も使いそうになってしまう場面がけっこうあります。
この言葉を使う人は、ちゃんと伝わってるかな?と相手を気づかって言っている可能性が高いのは知っています。それは知っているのだけど、その確認をしてる時点で伝わっていないということだし、それであれば伝わるように言い換えるなり創意工夫が自身の側に求められているということ。
これは広告でも同じで、言ってる意味わかりますか?と聞かないといけないような広告は、その時点ですでにダメな可能性が高いと思うのです。
でも、意味がわからないけどなんかゾクゾクしちゃう映画とか舞台とかに心惹かれちゃう自分もいるんですよね……。もはや自分の言ってる意味がわかりません。
とはいえみなさん、解説や補足がないと言ってる意味がわからないものを生み出さないように気をつけてください。ぼくもじゅうじゅう気をつけます。

