企画書作成の8割を効率化!ゼロから始める生成AI活用術

営業担当者が避けては通れない業務の1つである「企画書づくり」。業務に圧迫されて悩んでいる営業担当者もいるのではないでしょうか?実は、企画書づくりも生成AIを活用することで効率化することが可能です。

本記事では、生成AIを使った企画書制作の手法について、ChatGPTをベースに株式会社TENHOの児玉知也氏が解説します。

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全体像を把握!企画書作成の8ステップ

まずは、企画書作成の全体的な流れを把握しましょう。上の図に示す通り、質の高い企画書は、主に8つのステップを経て完成します。

● ステップ1:市場調査とニーズの把握
● ステップ2:アイデアの生成
● ステップ3:目標の設定
● ステップ4:企画の詳細化
● ステップ5:リソースの計画
● ステップ6:リスク管理
● ステップ7:提案資料の作成
● ステップ8:プレゼンテーション

生成AIで、企画の土台作りであるステップ1から、提案資料の作成にあたるステップ7まで、広い範囲をカバーすることができます。

生成AIを動かす鍵は「プロンプト」と「対話の連続性」

生成AIを効果的に活用するには、2つの鍵があります。1つは、的確な指示を出す「プロンプト」。そしてもう1つが、「対話の連続性」です。

プロンプトは、以下の内容を基本に作成します。後ほど解説しますが、求めるアウトプットに合わせて、役割や条件などを細かく指示していきます。

命令:基礎的な質問文または指示
文脈:具体的な役割や目的
出力フォーマット:出力形式や条件
具体例:出力形式の具体例

ChatGPTは、同じチャット内で行われた過去の「対話」を記憶しています。この特性を最大限に活かすため、一連の企画書作成プロセスは、すべて同一のチャット内で完結させるようにしましょう。こうすることで、生成AIは文脈を理解したアシスタントとして機能し、一貫性のある出力を行います。

【実践】生成AIとの対話の進め方

では、具体的にどのように生成AIとの対話を進めればよいのでしょうか。企画書作成のステップ1「市場調査とニーズの把握」を例に、具体的な流れを解説します。

フェーズ1:役割を与え、対話を開始する

まず、生成AIにどのような立場で回答してほしいか「役割」を与えます。その上で、最初の指示を出します。これにより、対話の方向性が定まり、専門的な視点からの回答が期待できます。

<プロンプト例>
役割:あなたは優秀なマーケティングの専門家です。
命令:マッチングアプリ業界の最新トレンドを分析してください。
条件:
・ターゲットは20代前半の男女です。
・ターゲット層の人が興味関心を持っている、恋愛やマッチングアプリにまつわるトピックスを5個教えてください。
・SNS投稿やニュースサイトを参照してください。

フェーズ2:回答を深掘りし、具体化する

生成AIが最初の回答(トレンドの一覧など)を返してきても、そこで終わりではありません。さらに追加で指示を出すことで、情報を深掘りできます。例えば、生成AIが人気アプリや流行のスポット、恋愛に関するチャンネルやテレビ番組を挙げてきたとします。その中から深掘りしたいものをより具体化します。

<プロンプト例>
命令:恋愛に関する人気のYouTubeチャンネルやテレビ番組から、具体的なトレンドをさらに出してください。

このように質問を重ねることで、表層的な情報から具体的な洞察へと深めていくのが対話のコツです。

フェーズ3:結論を導き出す

トレンド分析に続き、同じチャット内で「PEST分析」など別の分析も実行します。最終的に、それまでの対話の文脈をすべて活かして結論を導き出すよう指示します。

<プロンプト例>
命令:これまでのトレンド分析とPEST分析の結果から、提案先のニーズを推測してください。

この「対話」のプロセスを、ステップ2以降も同様に続けます。例えば、ステップ2でアイデアを生成し、ステップ3で「このアイデアについて、SMART原則に基づいた目標を設定してください」と指示すれば、企画書をより具体化できます。

明日からの企画書作成をアップデート

企画書作成における生成AI活用は、各ステップで単発の質問を繰り返すことではありません。一連のプロセスで、生成AIと「対話」しながら一気通貫で進めていくことが、生成AIの真価を引き出し、業務を劇的に効率化する鍵です。

ただし、生成AIがすべてをやってくれるわけではない点は注意が必要です。生成AIはあくまで人間の業務をサポートする「補助」という立場であることを理解し、企画書作成に活かしてみてください。

生成AIを活用した企画づくり・企画書作成講座」では、ステップ1~7までの具体的なプロンプト例やアウトプット、さらにアウトプットから自動でスライドを作成する方法も解説しています。業務の効率化を図りたいと考えている営業担当者の方は、ぜひチェックしてみてください。

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児玉知也

TENHO
COO
デジタルシティオキナワ取締役

愛知県名古屋市出身。大学時代からデータサイエンスを学び、JR九州主催のデータサイエンス関連ピッチコンテストで入賞。そこを起点に生成AI分野へと事業領域を拡大した。現在は、企業・自治体向けの生成AI導入支援事業においてセミナー講師として活躍し、三重県伊勢市・愛媛県今治市・青山学院大学などでも登壇経験を持つ。生成AIを活用した研修を通じて個々の生産性向上を図ると同時に、業務全体の効率化を推進するツール開発にも携わり、最新技術を実務へ応用する知見を提供し続けている。

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