牛めしチェーンの松屋フーズは8月26日から、ベトナム大使館の協力を得た「コムタム風ポークライス」を限定発売する。大使館公認の“外交メニュー”と掲げ、初日にはファム・クアン・ヒエウ駐日ベトナム大使が「1日店長」として店舗に立った。メディアなどで「松屋外交」といった表現も聞かれる中、なぜ外食チェーンが大使館と連携するのか。
8月26日に東京都内の松屋店舗で行われた、「1日店長」就任式。ファム・クアン・ヒエウ駐日ベトナム大使(右)と松屋フーズ 販売促進企画グループの青木彩マネジャー
大使が試食し太鼓判、日本とベトナムで同時発売
数量限定の「コムタム風ポークライス」は日本だけでなく、ベトナムにある4店舗でも同時に提供。国内では3週間程度の販売を予定している。
豚肉にベトナム産の魚醤ヌクマムソースをかけ、目玉焼きを添えた一品で、松屋流に調整しながらもベトナムの国民食としての特徴を残すことにこだわったという。
価格は日本では税込880円、ベトナムでは約7万9000ドン(約450円)に設定。日本とベトナムで展開されるメニューは、付け合わせ以外は共通の味付けとした
商品を試食したファム大使は「ベトナムの味を残しつつ、日本人好みにアレンジされている。現地ベトナムでも受け入れられる味だ」と評価し、来日時に初めて牛丼を食べた経験に触れながら「日本人の嗜好を理解した味付けだ」と述べた。
ファム大使は発売初日、東京都内にある松屋の店舗に立ち、「1日店長」を務めた
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ベトナム人大学生のインターンシップ受け入れも
ベトナム人大学生のインターンシップ受け入れも
松屋がベトナム料理を外交メニューとした背景には現地展開がある。2024年11月に1号店を開業し、現在は4店舗を運営。現地リサーチの過程で国民食「コムタム」に着目し、大使館職員と試食を重ねて調整。最終的に「お墨付き」を得て商品化した。


