知らないうちに負けている?競合との「不戦敗」を防ぐ4つの顧客情報

「価格で負けた」「機能で競合に劣っていた」。営業活動における「負け」の理由はさまざまです。敗因が分かっているものは、まだ次に繋がる可能性がありますが、最も恐ろしいのは、知らないうちに競合に決まってしまう「不戦敗」です。

「シン・営業力」を提唱する株式会社カクシンの天野眞也氏は、リベンジすら不可能な「不戦敗」こそが、営業の失敗の約8割を占めていると指摘します。

なぜ「不戦敗」は起きてしまうのか。そして、それを防ぐためにはどうすればいいのかを紐解きます。

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なぜ「不戦敗」が起きるのか?

「不戦敗」が起こる最大の原因は、お客様が「欲しい」と思ったタイミングを逃していることにあります。どんなに優れた製品やサービスでも、タイミングが合わなければお客様には響きません。

天野氏はこの重要性を、ハンバーグに例えて説明します。

ケース1:食事を終えたばかりでお腹がいっぱいの人に、いくら美味しいハンバーグを勧めても食べてもらえない。
ケース2:お腹は空いていても、「お昼にハンバーグを食べた」という人に、夜にハンバーグを勧めると、食べてもらえないか、値引きなどの交渉が入る可能性が高い。
ケース3:「お腹が空いていて、ハンバーグが大好きな人」に勧めたとき、喜んで食べてもらえる。

お客様が課題を感じ、解決策を探し始めた「まさにお腹が空いている」タイミングで、的確な提案ができなければ商機は生まれません。そして、そのタイミングを知らないうちに競合が掴んでしまうこと、それが「不戦敗」の正体です。

「不戦敗」を防ぐ武器となる「4つの情報」

では、どうすればお客様の「タイミング」を逃さずに済むのでしょうか。その鍵は、顧客に関する情報を網羅的に収集し、構造化することにあります。天野氏が提唱するのが、「4つのリスト」とも呼ばれる情報整理術です。

1. 組織情報
顧客がビジネス全体のどこに位置し、どのような役割を担っているかを理解するために必要です。

2. 担当情報
「法人の中の個人」に焦点を当て、その役割、決裁権、興味関心などをまとめます。

3. 案件情報
お客様の社内で動いているプロジェクト、すなわち「予算」の情報を指します。

4. 工程情報
お客様が利益を生み出すまでの業務フローといった情報です。

これらの情報をコツコツと、そして組織的に積み上げていくこと。それこそが、競合からは見えない強力な参入障壁となり、知らぬ間に商機を逃す「不戦敗」を撲滅するための最も確実な戦略となります。

『シン・営業力』実践講座」では、4つの情報で集めるべき具体的な項目や、その活用方法について詳しく解説しています。従来とは変わりつつある営業手法に関して、体系的に学びたいと考えている方は、ぜひ講座もチェックしてみてください。

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天野眞也

株式会社カクシン
CRO/エヴァンジェリスト

1992年、キーエンスに新卒入社以降、営業ランキングトップの実績をあげ、売上数百億円から二千億円の企業へと成長するまでの期間、営業として第一線で活躍。その実績と経験を基に、2010年に起業。FAプロダクツほか複数社の代表を兼任したのち、現在は株式会社カクシン(CEO田尻望氏)のCRO/エバンジェリストとして営業戦略コンサルティングを行う。YouTubeチャンネル「AMANOSCOPE(アマノスコープ)」にて製販連携・営業メソッドを発信するほか、営業が学べるオンライン学校「営業大学-ESSENCE-」の運営、初の営業本『シン・営業力』も発売中。

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