東京建物と森林研究・整備機構 森林総合研究所は8月27日、都市緑地がウェルビーイング向上に与える影響に関して共同研究を開始したと発表。東京都千代田区にある複合施設「大手町タワー」敷地内の緑地「大手町の森」において科学的な検証を行う。研究の実施期間は2026年3月末までを予定する。
研究では、大手町エリアのワーカー30名を対象に、ストレスホルモン、交感神経活動等のバイタルの計測および質問紙を用いた心理調査を実施。「大手町の森」への滞在が身体的・精神的健康に与える影響を調査・分析することで、人々のウェルビーイング向上に都市緑地が与える影響を検証する。
加えて、ヒートアイランド現象の緩和効果も調査し、都市緑地の多面的な価値の可視化を目指す。
「大手町の森」の様子。
「大手町の森」は、東京建物が運営する「大手町タワー」の敷地の約3分の1、約3600㎡に広がる都市の森。約3年かけて千葉県君津市内の山林で育てた土壌や植物を移殖する手法をとり、2013年8月の完成以来、自然の森に近い形での管理を継続してきた。
2021 年の調査で植物類は208 種が確認されており、中には国や東京都のレッドリストに掲載される希少種も含まれる。開発前後の比較で敷地内は平均1.7℃気温が低下するなど、ヒートアイランド現象の緩和にも役立てている。

