面白法人カヤックの「その手が、あったか。」 其の1「バズの構造」を考える

バズの構造というフレーム

僕の講座では、「バズの構造」についてお話ししたいと思います。

実は、カヤックには企画を考える際に使うフレームワークとして「バズの構造」というチェックリストがあります。「これをクリアすれば、バズらせるための構造は押さえられている」というものです。

一部を紹介すると「“興味の入り口”と“シェアの出口”をちゃんと作りましょう」というものがあります。「入り口」として、企業が言いたいことをそのまま伝えるだけでは興味を持ってもらえず、クリックもされにくい。

視聴される前提で組み立てられるテレビCMと違い、ウェブは容易にスルーされる広告も多いです。どれだけ興味を持ってもらいクリックされるものを作り、企業の伝えたいことと結びつけられるかが大切になります。

さらに出口として「他の人に言いたくなる仕掛けがあるか」「シェアしたくなる出口が作れているか」が重要、という話もしたいと思います。「バズの秘伝」のひとつです。

「出口」を考えた例で、「静岡県観光奉行募集 〜“ホンモノ”の静岡県人、求む。〜」という企画がありました。

これは、静岡県から「観光客を増やしたい」という依頼を受け、JR東海エージェンシーさんとご一緒して、実施したものです。いろいろ調べてみると「静岡県民は、とにかく静岡が大好き」という事実が見えてきました。ならば「県民の皆さんにインフルエンサーになっていただこう」と考えて「観光奉行」と名付け、応募の入口として、静岡の人しか問題の意味すら理解できない“ご当地クイズ”を用意しました。

別角度から撮影した富士山の写真や、ローカルCMや番組、地元の有名人…間違えたら即失格、という設計です。静岡の人しかわからないような問題を作りたかったので、現地の方々とブレストしてネタを集め、問題づくりも一緒に進めました。その結果、大きくバズらせることができました。

こうした話は、翌日からすぐに使えるように、なるべく分かりやすく、覚えやすい形で伝えたいと思っています。僕は講座の2回目を担当するので、いろいろなテーマに通じる基礎的な部分もきちんとお話しするつもりです。

面白いの三段階

カヤックの「面白い」には三段階あり、僕も仕事をする上で常に持っている視点です。

それは、まず自分たちが面白がること。どんな仕事も面白がれるポイント探しからはじまります。そして、そこから作ったものや出したものが「面白い」と世の中に言われる段階。クライアントも巻き込みながら、面白がって案件を作れるかがこのフェーズで、静岡県の事例は、これに当てはまります。

そして、最後の段階として「世界が少し面白くなること」です。自分たちが面白がって作ったものを世の中の人たちに「面白い」と言われ、結果として世界が面白くなっていくという「面白法人の三段階」です。

カヤックには、面白い人達…ではなく「面白がるプロ」がたくさんいます。今回の講座ではそれぞれの「面白がり方」が、聞けるはずです。今回の講座を受けた後にはきっと、世の中の「面白がれる人」、そして「世界を面白くできる人」のうちのひとりになれると思います。

カヤック おもしろ突破塾 講座概要

開講日:2025年9月25日(木) 19:00~21:00
※初回のみ木曜に開催、以降は土曜日に開催。
※最終日のみ13:00~
講義回数:7回
開催形式:教室開催(宣伝会議表参道セミナールーム)
※最終回のみ、鎌倉のカヤックのオフィスにて開催
詳細・お申込:こちらから

【オンライン】まずは体験講座へ

9月5日 (金)19:00 ~ 20:45
『アイデアは誰でも出せるんだ!となるプチブレスト講座』
講師:合田ピエール陽太郎 氏

今回は、本番で何をやるのかが具体的に想像いただけるようにカヤック流のブレストを実際に体験し、そこからアイデアを広げていく方法を皆様に体験いただきます。ぜひ、お気軽にご参加ください。参加はこちらから。

avatar

兼康 希望

面白法人カヤック
クリエティブディレクター

早稲田大学商学部経営学科卒。元BCC代表の内田和成教授より競争戦略を学んだ後、面白法人カヤックにデザイナーとして入社。事業部長を経て、現在クリエイティブ・ディレクターとして働く。バズの構造を計算した、ユーザーにおもしろがられる企画が得意。「仕事を遊びに、遊びを仕事に。」がモットー。 ダブルワークで、2016年よりテントサウナカルチャーを日本に広めるためサウナキャンプを立ち上げ、代表を務める。

advertimes_endmark

1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ