資生堂、エン・ジャパンも実践 MetaのAIを活用した広告ツールがビジネス成果を加速させる理由

AI活用は広告運用のシーンでも進んでいる。Metaが提供する広告自動最適化ツール「Meta Advantage+」は、配信の自動最適化やターゲティング精度の高さから、効率と成果を両立する手段として高い評価を得ている。プレステージブランドの質的なリーチ拡大や、総合転職サイトにおける広告運用工数の削減など、多様なビジネスゴールを達成した4つの事例から、MetaのAI広告がなぜ今マーケターにとって不可欠なのかを解き明かす。

広告運用の「選択肢」ではなく「必須」のツールとなりつつあるAI。InstagramやFacebookを運営するMetaでは、AIへの重点的な投資を通じて、広告主のビジネス成長を加速させるソリューションを提供している。その代表格が、キャンペーン作成からターゲティング、クリエイティブ、配信までを自動化・最適化する「Meta Advantage+」だ。これにより広告主は、より少ない工数で高い成果を上げることが可能になる。今回は、その成果を実感した4つの活用事例を紹介する。

AIが実現する「リーチの質的拡大」

資生堂のグローバルラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」にとって、ブランドに共鳴する親和性の高い顧客へデジタル広告を効率的かつ確実に届け、態度変容を促すことは重要な課題だった。セグメントを絞りすぎるとリーチが伸び悩み、広げ過ぎればブランドに共感する層に的確に届かなくなる。この「リーチの質的拡大」というジレンマに対し、同社はInstagram上でのAIを活用したアプローチを選択した。ファーストパーティデータを活用した類似拡張配信や、「Advanced Analytics」を用いた親和性の高いオーディエンス分析を実施した。

クレ・ド・ポー ボーテ デジタルマーケティング戦略グループ ブランドマネージャーの千葉裕也氏は次のように語る。

「クレ・ド・ポー ボーテのようなマスがターゲットではないブランドにとって、親和性が高いターゲットにいかにリーチするかがとても重要です。AIを活用することで、かなり効率的に質の高いリーチにつながりました。成果としてCTRは非常に高くなり、CPCも下がったので、課題であった『リーチの質的拡大』という意味では、とても良い結果になったと考えています」

今後は「Advantage+」を活用し、さらなる精度向上と質の高いリーチ拡大を目指していくという。

CAPI活用で獲得単価が約半分に

同じく資生堂が手掛けるスキンケアブランド「エリクシール」では、異なる課題にAIを活用している。従来の認知・興味関心を目的としたブランド広告に加え、ECサイトでの購買を直接促すパフォーマンス広告への投資を強化する中で、顧客データを活用した広告配信の精度向上が重要であった。

そこで同社が取り組んだのが、顧客のデータを連携しより正確なコンバージョン計測を可能にする「コンバージョンAPI(CAPI)」の実装だ。CAPIによってAIの学習データがリッチになり、広告配信の最適化が加速した。

ブランドマネージャーの小暮亮祐氏はその効果をこう語る。

「パフォーマンス広告の効果を上げるためには、PDCAをどれだけ回せるかが大切です。CAPIを実装することで最適化が促進され、PDCAがより多く回るようになりました。結果として、コンバージョン率は約9%向上し、獲得単価も約半分に下がっています」

環境整備を通じてAIの学習基盤を整えることが、成果最大化に直結することを証明した事例といえる。

AIが運用工数を削減し、創造的な時間を創出

AIは配信精度だけでなく、マーケターの働き方にも変革をもたらす。総合転職サイト「エン転職」などを運営するエン・ジャパンでは、複数のキャンペーン管理に多くの運用工数がかかっていた。配信面やターゲットごとにキャンペーンを細分化していたため、手動での調整に多くの時間が割かれ、より戦略的な業務に集中できないという課題があった。

この課題を解決したのが「Advantage+ セールスキャンペーン(ASC)」だ。1つのキャンペーンで配信面とターゲティングが自動で最適化され、運用工数が大幅に削減された。

チームリーダーの八ツ田穂波氏は、その変化について「ASCを導入し、AIが今届けるべきユーザーにリーチしてくれるようになったことで、運用コストが軽減できました。その分、検証の数を増やすことができ、結果として以前のキャンペーンと比較してCPAを約26%改善できました。手作業が減り、クリエイティブ制作や戦略的な意思決定といった、本来人がやるべき業務に集中できるようになったのが大きなメリットです」と語る。

AIに任せる部分と、人が介在すべき部分を明確に分けることで、チーム全体の生産性を向上させた好例だ。

LTV向上へ、課金につながる優良顧客をAIが発掘

新規ユーザー獲得といったアクションを促す目的においても、Metaのプラットフォームは力を発揮する。無料のゲームプラットフォーム「G123」を運営するCTWでは、ブランド認知だけでなく、新規ユーザーや、課金ユーザーをいかに獲得するかが重要なテーマだった。また、短期間で広告予算を増額する際、従来のキャンペーンではオーディエンスが頭打ちになる課題も抱えていた。

同社は、購買意欲の高いユーザーが多く、広告から行動につながりやすいInstagramを主要プラットフォームに選択。さらに「Advantage+ セールスキャンペーン(ASC)」を活用した。シニアマネージャーの松本流亮氏は、その理由を次のように説明する。

「ASCは、こちらが日予算を伸ばすことで機械学習がうまく働き、オーディエンスを自動で拡張してくれます。これにより、予算を増やしたいタイミングでスケールさせることが可能になりました。AIの学習機能は素晴らしく、我々が目的とする新規ユーザーや課金ユーザーの獲得に非常に貢献してくれています」

現在、同社のアカウントではキャンペーンの7割以上がASCで運用されており、昨年同月比で予算を約1.5倍に拡大しながら高い成果を維持しているという。

今回紹介した4つの事例は、MetaのAI広告ソリューションが、業種やビジネスモデルを問わず、多様なマーケティング課題に対応できることを示している。プレステージブランドの丁寧なリーチ拡大から、ゲームの短期的なスケールまで、それぞれの目的に応じてAIが最適な配信を実現。AIに運用を任せることで、マーケターはクリエイティブの改善や戦略立案といった、より本質的で創造的な業務に集中できるようにもなる。Metaのプラットフォームは、AIという強力なエンジンを得て、ビジネスと生活者をつなぐ最適な場所として、その価値をさらに高めている。

お問い合わせ

Metaビジネスヘルプセンター

URL:https://ja-jp.facebook.com/business/help

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