ステークホルダーと共に社会を動かす――PRアワードとACC賞に見る“本質的なPR”【前編】

日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)が主催する、企業・団体の広報部門やPR会社が実施するパブリックリレーションズの事例を対象とした「PRアワード」のエントリー受付の締め切りが10月15日に迫っている。本記事では、「PRアワード」審査委員長を務める田上智子氏(シナジア)と2023年からPR部門が独立した「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」(ACC賞)でPR部門審査委員長を務める眞野昌子氏(日本マクドナルド 広報部 部長※取材時)の対談を掲載。嶋浩一郎氏(博報堂/博報堂ケトル)をファシリテーターとしてまじえ、2つの賞の共通点や違い、PRパーソンに求められる「技」について議論する。

「PRアワード」と「ACC賞」が目指すものとは

左から、嶋浩一郎氏(博報堂/博報堂ケトル)、「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」PR部門審査委員長 眞野昌子氏(日本マクドナルド)、「PRアワード」審査委員長 田上智子氏(シナジア)。

:この対談ではPRパーソンにとってのアワードの意義や活用法、さらにPRの現在地や未来について、幅広くおふたりに話をうかがっていきます。PRパーソンはもちろん、マーケティングや広告クリエイティブに携わる方にもためになる話になるのではないかと楽しみにしています。

まず、それぞれのアワードの概要と、審査にあたってどんな視点で議論をしていきたいと考えているか、抱負をお聞かせください。

田上

:PRアワードは前身となる「PR活動顕彰」が1961年に始まって、2001年に「PRアワードグランプリ」としてスタートしてから本年度で25年目を迎え、今年から「PRアワード」と改称しました。

私自身の抱負としては、PRアワードで事業会社出身の人間が審査委員長を務めることは初になります。審査委員にはエージェンシー出身のメンバーのほうが多く、その視点もとても大切です。一方で、ステークホルダーや社会にどう向き合っていくのか、事業主体としての覚悟がないと真のパブリックリレーションズは成立し得ないだろうと常々考えてきました。

事業主体としての“覚悟”をアイデアやクリエイティビティでどう突破しているのかといった視点を、審査には加えていきたいと考えています。

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