クイズ3:姉妹でオレンジを分け合うには?
最後のクイズです。
ある姉妹が6つのオレンジをとりあって喧嘩しています。お互い「すべてほしい」と言って譲りません。実は、あることをすれば、2人とも納得する形で解決できるのですが…。
もしあなたが親だとしたら、この争いをどう解決しますか? 考えてみてください。
…答えは、「オレンジを、何のために、どう使うのか?」と2人に問うことです。
実はこの姉妹、1人はジュースを作るために「果肉」が、もう1人はジャムを作るために「果皮」が欲しかった、というわけなのです。「3個ずつ分けなさい」とか「今回を譲ったら次に多くあげる」といった安易な解決策を押し付けるのではなく、まず「問いかける」ことで、2人にしっかりと話してもらい、姉妹の本質的なニーズや背景にある構造を明らかにする。そうすれば、2人とも満足するかたちで6つのオレンジを分け合うことができます。(出典:ロジャー・フィッシャー、ウィリアム・ユーリー『ハーバード流交渉術』 を元に筆者が一部改変)
人に問いかけ、言葉を引き出し、対話を促して、価値を創造する。その対話の触媒となるのも、また、言葉です。
コピーライティングは、単に「伝える」技術ではなく、「問う」技術でもあると思います。適切にコピーライティングされた問いは対話を生み、対話は新たな価値を生み出します。
私が社名開発やパーパス策定を担当させていただく際も、実は成果物である社名やパーパスにも増して、プロセスの中で「社内の対話が生まれた」という点を高く評価されることも多いです。
言葉の力を、経営の力に
ここまでご紹介した「コアを導出する力」「価値を拡張する力」「対話を触発する力」は、広告やマーケティングだけでなく、コンサルティングにおいても大切な役割を果たす。そのことを日々実感しています。
アメリカの広告代理店DDBの創業者ウィリアム・バーンバックが残した「広告は、言葉のビジネスだ」という言葉は、今でも人口に膾炙する至言だと思いますが、実は「あらゆるビジネスは、言葉のビジネスだ」とも言えるかもしれません。
コピーライターや広告業界出身者が、もっと経営やコンサルティングに関わっていくと、意外と面白い化学反応が生まれるのではないでしょうか。
コピーライター養成講座 山田聰クラス 「言葉と経営」ゼミ 概要
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