5カ月で1万台 コクヨの“リスキリング支援”文具、「勉強が続かない」切実な悩みに対応

大人向けの文具がなぜ、発売5カ月で1万台を超えるヒットにつながったのか。コクヨが5月に一般発売したIoT文具「大人のやる気ペン」は、発売前のクラウドファンディングサイトで目標の69倍となる支援を集め、支持者3500人超を獲得。資格試験やリスキリングに取り組む社会人を中心に支持を広げている。その背景には、「勉強したいのに続かない」という多くの人が抱える悩みに対応した“仕組みづくり”があった。
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市販のペンに装着された「大人のやる気ペン」。Amazonや楽天などのECサイトに加え、コクヨ公式オンラインショップや一部直営店でも販売されている

スマホ連携で「頑張り」を記録

「大人のやる気ペン」は、市販のペンなどに装着して使う小型IoTデバイス。デバイスに内蔵された加速度センサーが筆記動作を検知し、学習時間を「やる気パワー」として記録される。学習後にはBluetoothでスマートフォンの専用アプリにデータが転送され、日・週・月単位のグラフやカレンダーで確認できる。

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「大人のやる気ペン」は、本体重量は約8グラム。直径9〜13ミリの筆記具に取り付けられる。付属のケース型充電器で充電すると、1日2時間の使用想定で約1週間動く

この専用アプリには、「取り組みの可視化」機能に加え、学習傾向に応じて「応援」や「励まし」のメッセージも届く。さらに、「やる気パワー」に応じてアバターがコマを進めるスゴロク機能もあり、アイテムの獲得やアバターのカスタマイズが可能。スゴロク上で他の利用者のアバターに出会うこともあり、「勉強のコツ」や「勉強する理由」などを知ることができる。「匿名性を保ちながら緩やかなつながりを得られる」という。

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専用アプリを通じて、「勉強度合いの可視化」に加え、多様な仕組みでモチベーションの維持を目指す

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10代~50代など幅広い層から支持

10代~50代など幅広い層から支持

1月末からクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で先行で販売し、2月1日時点では同サイトの総合ランキング1位を記録。5月からの一般販売を開始した。購入者は当初30〜40代の社会人が中心だったが、10代や50代にも広がり、用途も資格試験やリスキリングに加え、親から子への贈答や家族での利用も見られる。利用者からは「連続日数を止めたくないためペンを持つように」「孤独な勉強もスゴロクで励まされる」「学習のハードルが下がった」といった声も寄せられているという。

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