東急不動産ホールディングスは6月、生成AIを活用したインナーコミュニケーションツール「東キュン不動産ホールディングス」の本格運用を開始した。グループ従業員の「キュン」をAIで可視化し、全体の意識醸成を図る施策だ。同社ブランド推進室室長の眞明大介さんにAIを使った狙いや施策の目的を聞いた。
「東キュン不動産ホールディングス」キービジュアル。
巨大組織での「自分ごと化」への挑戦
東急不動産ホールディングスがグループ従業員向け施策として打ち出したAIツール「東キュン不動産ホールディングス」。従業員はサイト上でニックネームを入れいくつかの簡単な質問に答えるだけで、AIがオリジナルのアイデアとキャッチコピー、そしてビジュアルを生成するというものだ。
実際に従業員の入力を元に生成されたアイデアの数々。
東急不動産ホールディングスは東急不動産をはじめ、東急リバブル、東急コミュニティーなど、約3万人の従業員を抱える。
東急不動産ホールディングスブランド推進室室長の眞明大介さんは、この大きな組織を動かす上での課題を指摘する。「現場で働く従業員にとって、会社の決定事項はどこか遠いものに感じられがちです。ましてやそれがホールディングスの施策となると、さらに興味を持ちにくいというのが実情でした。通り一遍の言葉では人の感情には届かない。だからこそ、まずは従業員に『なんだか面白そうだな』と興味を持ってもらうことがスタートだと考えました」。
この施策が本格的に検討され始めたのは、2023年の春。新たな中期経営計画の発表を2年後に控えるなか、その内容をいかにして全従業員に浸透させるか、という課題があった。






