電通、電通デジタル、ソフトバンク、SB Intuitionsの4社は9月25日から、「日本語コピーライティング特化型生成AI」の開発に向けた共同研究を開始した。日本語特有の語感や繊細な表現を捉えた、心を動かす日本語の広告コピーを生成することが目的。
これまで電通と電通デジタルは、電通のコピーライターが長年培ってきた思考プロセスを学習したAI広告コピー生成ツール「AICO2」を2024年に開発してきた。一方、ソフトバンクでは、自社で構築したAI計算基盤を基にして、SB Intuitionsが日本語に特化したLLM「Sarashina」を2024年に開発・公開している。
共同研究の背景には、日本語コピーの生成の独自性がある。現在活用されている生成AIは、海外で開発された大規模言語モデル(LLM)を基盤としたものが多く、日本語特有の語感や文脈の繊細な表現を捉えた広告コピーの生成が困難という課題があった。
共同研究のイメージ図。
具体的には、「Sarashina」に実際の広告コピーを用いた追加学習を実施することで、表現に関する性能を高める。追加学習に用いる日本語コピーライティング特化型生成AI向けの学習用データは電通デジタルが提供し、生成された広告コピーの評価は電通が担当する。
これにより、より豊かなクリエイティブ表現を可能にするとともに、言葉のトーンの強弱制御を学習させ、マーケティング・コミュニケーションの目的やターゲットに合わせた最適な言葉遣いをAIに学習させる。
加えて、AIが出力した内容をAIに評価させることで、より良い表現を学習する機能を強化。広告コピー生成の精度と日本語のコピーライティングの品質を向上させることを目指していくという。

関連記事
