IPRN AGM 2025で発表された欧州PRの好事例を解説する本コラム。第4回となる今回は、心に静かで深い余韻を残すPR事例を紹介します。
ロンドンを拠点とする在宅介護会社The Good Care Group(TGCG)と、英国西部の港湾都市ブリストルにメインオフィスを構えるPR会社、AMBITIOUSによるキャンペーン「Home Is Where The Heart Is(家は心が住む場所)」は、データと感情、そして人生の記憶がひとつに溶け合うような取り組みです。
このプロジェクトの象徴となったのは、英国の写真家キャロリン・メンデルスソーン氏によるビジュアル作品です。柔らかな光と深い陰影が映し出すのは、老いの現実ではなく、そこに宿る生の尊厳です。88歳のブライアン氏と68歳のアリソン氏——それぞれが自宅という舞台で過ごす日々が、感情的でノスタルジックな物語として静かに立ち上がってきます。退役後も無線通信を続けるブライアン氏の表情、季節の花を育て続けるアリソン氏の手。そこには「生きるとは記憶を重ねること」というメッセージが感じられます。
ブライアン氏(AMBITIOUS社提供)
アリソン氏(AMBITIOUS社提供)
キャロリン・メンデルスソーン氏(AMBITIOUS社提供)
「Home Is Where The Heart Is」では、これらの作品と、ブライアン氏、アリソン氏をはじめとする在宅介護サービスを受ける人々の「家」での日々をストーリーとして発信しました。
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岩澤康一(Key Message International代表取締役)
岩澤康一(Key Message International代表取締役)
国内/外資のファームでデジタル、グローバルな広報・PR経験を積んだコミュニケーションの専門家。TBSワシントン支局に勤務後、在シリア日本大使館広報文化担当官、日本国際問題研究所広報部長などを歴任。米アメリカン大学より国際平和紛争解決法修士号、早稲田大学よりジャーナリズム修士号取得。日本広報学会理事。情報経営イノベーション専門職大学客員教員。弘前大学客員教員。著書に「世界標準の説明力 頭のいい説明には『型』がある」(SBクリエイティブ )。
岩澤康一(Key Message International代表取締役)
国内/外資のファームでデジタル、グローバルな広報・PR経験を積んだコミュニケーションの専門家。TBSワシントン支局に勤務後、在シリア日本大使館広報文化担当官、日本国際問題研究所広報部長などを歴任。米アメリカン大学より国際平和紛争解決法修士号、早稲田大学よりジャーナリズム修士号取得。日本広報学会理事。情報経営イノベーション専門職大学客員教員。弘前大学客員教員。著書に「世界標準の説明力 頭のいい説明には『型』がある」(SBクリエイティブ )。
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