広報を取り巻く現実は厳しい。例えば、デジタルではトラフィックが上位媒体へ集中し、その他多数の媒体は読まれにくい。また、デジタルメディアの媒体数や新聞・通信社の記者数自体も縮小傾向にあり、“接点のない企業に行く余裕がない”媒体が増え、新しい関係構築も難化傾向にあると考える。他にもメディアリスト管理などのアナログ業務、ハンドリング不能なSNS数値など難点は多い。結果、広報業務は成果が見えにくく、業務時間も長期化している。これらの課題を解決するために、渡辺幸光氏は3つの改善ステップを提案する。
自社の広報段階を把握し対策
第一に、自社の立ち位置を理解し、適切なKPIを設計することだ。同社は、「露出増加➡質の高い露出➡業務効率の改善➡正当な評価➡経営課題を広報で解決」の順に登る「広報欲求5段階説」を提唱。経営層が目指す(もしくは目指してもらいたい)KPIを、自分たちでハンドリングできる指標から設定するべきと説く。
図 「広報欲求5段階説」とステージに応じた広報ツール
ハンドリングできる指標は、例えば、情報発信の回数や重要媒体へのコンタクト数など。計測しやすい活動からKPIを策定し、徐々に露出の量や質、エンゲージメントも指標に導入していくことが推奨される。まずは自社がいるステージを把握することが重要だ。第二に、広報資産を整備すること。広報資産とは、自社にまつわる広報に活用できるリソースやアセットのことで、主にユニークな人材・福利厚生・オフィスなどの「ネタ資産」、記者・ライター・代理店との関係値である「つながり資産」、リリース様式・取材対応の仕方・SNS運用知見を集めた「スキル資産」の3つ。
ネタ資産はデータをファクトシート化しすぐに対応できる状態を、つながり資産はデータベース化で新たな露出を見出すことができる。スキル資産は新人でも再現できる状態が望ましく、言語化などの整備が必要だ。これらの貴重な資産をバランスよく育てることが重要だという。
一方で、露出できる資産を持っていないと考えてしまう企業も多い。そんな時は「現場に耳を傾けてほしい」と渡辺氏は話す。社員が日々行う“当たり前の業務”にもバリューは潜んでおり、媒体特性に合わせて発信すれば記者の興味を引く可能性も。メディアとのつながりも、媒体の選定や競合他社の露出観察で解決案を掴めるかもしれない。いずれにせよ、資産の「見える化」が大きな役割を果たす。
第三にマンパワーに頼らないツール選定だ。「広報欲求5段階説」のステージに応じてツールを使い分ける。例えば、露出の量を増やしたい段階であればリリース配信ツールを、質を高めたいのであれば有料クリッピングツールを使うなど。従来Excelなどで行っていた“アナログ管理”からの脱却が負担減につながる。
これらのステップを踏めば無駄な時間を削減し、情報インプットの時間に代替できる。渡辺氏は「当社では『PRオートメーション』という広報DXツールで全ての段階に応じた広報業務をサポートしています。浮いた時間を利用して“エバーグリーン”な人材になってほしいです」と締めくくった。


『なぜ御社の広報活動は成果が見えないのか?‐可視化・数値化・省力化を加速するDXの進め方』
2024年11月26日発売
渡辺幸光著
定価:2,200円(本体2,000円∔税)
ISBN 978-4-88335-617-1
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