既成スーツ縮小の裏で成長する「オーダースーツ市場」 若年層に向けたグローバルスタイルの「ガチスーツ」戦略

ショートドラマで若者の共感を呼ぶ

テレワークやハイブリッドワークの普及など、ワークスタイルの多様化によって大きな変化を見せているスーツ市場。服装の自由化により既製スーツの販売規模は縮小傾向にある一方で、着る人の体型や好みに合わせて仕立てる「オーダースーツ」市場は拡大を続けている。スーツを着る機会が限られるからこそ、結婚式などの重要なイベントに向けて「きちんとした一着を持っておきたい」というニーズが高まっているためだ。

若年層の購入も増加しており、オーダースーツ専門店を運営するグローバルスタイルは、「その場にふさわしい一着」というコンセプトを「ガチスーツ」として若者層に提案。ショートドラマなどのコンテンツを通じて、会社のプレゼンやプロポーズといった具体的なシーンを描くことでオーダースーツの魅力を訴求している。田城弘志社長に、「ガチスーツ」戦略の狙いや背景を聞いた。

グローバルスタイル代表取締役社長の田城弘志氏

同社はグローバルスタイル事業開始当初から、スーツやジャケットスタイルを「ファッション」の一つとして提案してきたという。田城社長は「スーツは相手への敬意を表すためのフォーマルウェアというだけでなく、自分の身体に合ったシルエットや、好きな色・柄の生地、こだわりのディテールを選ぶことで、自分らしさを表現できるおしゃれなアイテムである」と語る。

一方で、オーダースーツには「敷居が高い」「価格が高い」というイメージが根強く残っている。そこで同社は、このイメージを払拭するための戦略を推進。「2着で4万円台」など、既製スーツ市場のボリュームゾーンを意識した価格帯のオーダースーツを展開している。

こうした施策が奏功し、店舗には「人生で初めてのオーダー」という顧客が増加している。成人式や就職活動、入社式といった人生の節目にスーツを仕立てる若年層が多く、現在の顧客層は20〜30代が全体の52%を占める。多い時には6割に達したこともあるという。

最初は手頃な価格帯を選んだ若年層の顧客が、次の購入時にはオプションを追加するといったステップアップもよく見られるという。オーダースーツの敷居を下げ、継続的に若年層を開拓することは、こうした上得意客の増加にもつながっている。

そこで同社は、次の世代の若年層の開拓策として、「ガチスーツ」というコンセプトを打ち出した。

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