トーハンは街中で物語を読むことができる「物語の自動販売機」の実証実験を始動。10月22日から世田谷文学館(東京・世田谷区)、10月24日からフェリシモ チョコレート ミュージアム(兵庫・神戸市)、11月から青山学院大学(東京・渋谷区)にて展開する。
「物語の自動販売機」は、同社が専用に開発した、その名の通り物語を入手することができる自動販売機。複数のショートストーリーが登録されており、ユーザーの操作でストーリーをランダムに印刷して、その場で無料頒布するサービスだ。これにより、従来の書店や電子書籍とは一味違った、街中で物語に出会う体験を楽しむことができる。
ストーリーは、その土地にゆかりの深い作品の一部や、イベント・企画に関連する文章など、設置場所に応じて登録内容を変更することができる。字数は500~2500字程度、3~5分程度の短い時間で、気軽に読める長さだという。
画面に表示された「物語」のボタン(写真左)を1つ選択して押すと、それぞれの言葉に登録された物語の中から、ランダムに1つが印刷される。画像は世田谷文学館に設置されている機器。
本施策は、トーハンの社内ベンチャー制度「Business Design Lab.(ビジネスデザインラボ)」から立ち上がった企画で、若手社員がチームで取り組んでいるもの。書店以外の場所で作品に触れ、物語の面白さに気づくきっかけを作りたいという思いから発案されたという。
今回は実証実験につき少数の設置だが、将来的には範囲を拡大予定。ユーザーは無料かつ設置者に設置費用を負担する形態にし、公共施設での地域文化・観光活性ツールや、企業イベントPRなどの活用を視野に入れている。企画によっては出版社や作家とも連携し、新刊・既刊の紹介や書籍の購入につなげる取り組みも検討しているという。
なお、今回設置された「物語の自動販売機」の詳細は以下の通り。
世田谷文学館
内容:世田谷文学館と東急電鉄の共同企画「世田谷文学館開館30周年記念 コレクション展 世田谷線・100年間のものがたり」にて、東急世田谷線の駅にゆかりのある物語を紹介。世田谷文学館をはじめ世田谷線沿線の3施設を巡回する。
| 【設置場所/期間】 | |
| 世田谷文学館 | 10月22日~11月5日 |
| たまでんカフェ山下 | 11月中旬~(予定) |
| 生活工房ギャラリー | 2026年1月中旬~(予定) |
フェリシモ チョコレート ミュージアム
内容:同館ではミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」日本版のアートディレクションを手がけた増田セバスチャン氏の企画展を開催中。それにちなみ、原作『チョコレート工場の秘密』(作:ロアルド・ダール)の印象的な11シーンをピックアップし、展示内容と合わせて原作の魅力を伝える。
| 【設置場所/期間】 | |
| フェリシモ チョコレート ミュージアム | 10月24日~2026年2月1日 |
青山学院大学
内容:青山学院大学のキャンパス内で、学生が選んだおすすめの本や、学生が執筆したオリジナルショートストーリーを紹介。
| 【設置場所/期間】 | |
| 青山学院大学 青山キャンパス | 11月下旬~ |
| 相模原キャンパス | 2026年4月~(予定) |


