「犬の日」は「猫の日」に劣勢か? それでも確実に成長を続ける「愛犬市場」と企業の創意工夫

限定グッズからリアルイベントまで、「犬の日」マーケティング

「『猫の日』と比べて、認知が足りない」。2月22日の「猫の日」で大々的なキャンペーンを展開したある企業は、11月1日の「犬の日」に積極的に展開しない理由をこう語った。実際、「猫の日」のほうが注目されていることを示すデータもあり、「猫」のみ関連施策を企画する企業も少なくない。一方で、「犬」に着目する企業も着実に増えており、犬のエネルギッシュさを生かしたリアルイベントを展開するケースもみられる。小売りからサービス業まで様々な企業の「犬の日」施策を取材した。

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「猫の日」との比較と市場背景

「犬の日」は1987年に当時の「ペットフード工業会」(現・ペットフード協会)を含むペット関連 6団体が協議のうえで制定。「ワン(1)ワン(1)ワン(1)」の語呂合わせで11月1日となった。

「猫の日」も同年に制定され、こちらの名称は「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」の語呂合わせ。両記念日を比較すると、「犬の日」にちなんだ企画は少なく、「猫の日」ほどの勢いは見られない。猫の日に大規模キャンペーンを展開したとある企業は「市場規模として猫の日と比べて小さいので、今後検討していきたい」と話した。

この傾向は飼育頭数の差が影響している可能性がある。ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」(2024年)によると、推計飼育頭数は犬が約679.6万頭、猫が約915.5万頭。2014年以降は猫の飼育頭数が犬を上回る状況が続いている。「どちらの記念日が盛り上がっているか」という質問に対して同協会は「掌握していない」としつつ、「猫の飼育頭数が犬を抜いたことにより、『猫の日』の方が興味・関心を持たれる方は多いかもしれない」と話した。

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