※セミナー開催当時の情報です
PRはプロモーションの略じゃない!その本当の意味とは?
セッションは、PRという言葉の定義から始まった。全氏は、PRが多くの人がイメージするプロモーションの略ではなく、「パブリックリレーションズ」の略であると説明。広報や宣伝はPRが持つ意味の一部に過ぎず、本来は「ステークホルダー及び社会との間で健全な価値観を形成し、継続的に信頼関係を築くための活動」を指す。シンプルに言えば「社会とグッドリレーションズを構築すること」だと全氏は強調した。
広告との違いは“第三者の視点”による信頼性
広告とPRの最も大きな違いは、情報の流れ方にあると全氏は解説する。広告は企業がメディアの広告枠を買い、伝えたいことを主観的に表現する。一方PR手法のひとつであるパブリシティは、新聞やテレビの“記事”や“番組”といった編集枠の中で扱ってもらうことを目指し、メディアという第三者を介して情報発信を行う。第三者であるメディアに情報価値について共感・納得してもらわなければ掲載されないため、情報の信頼性が高まる。つまり、より自然な形で生活者が情報を受け取ることができるのだ。
これからのPRは、コミュニケーションの根幹を担う
かつてのPRは、広告予算の余りで行う「広告手法の一つ」と見なされることも少なくなかったが、今は時代が変わり、PRの考え方があらゆるコミュニケーションの根幹になりつつあると全氏は語る。マーケティングの定義が「売れる仕組みづくり」から「顧客や社会と共に価値を創造し、ステークホルダーとの関係性を醸成する」へと変化したように、現代のビジネスでは単に売るだけでなく、共感や長期的な関係構築が求められるようになった。この変化に伴い、PR会社の仕事もメディア露出の獲得だけでなく、PR発想に基づいたCM制作や商品開発、コンサルティングなど、アウトプットの形にとらわれず大きく広がっている。
オズマピーアールが持つ3つの強み
セッションの後半では、全氏が所属するオズマピーアールの紹介も行われた。1963年創業の老舗PR会社であり、博報堂グループの一員でもある同社の強みとして、全氏は3つの特徴を挙げた。1つ目は、博報堂グループの大きなリソースと、独立系PR会社として長年培ってきたノウハウを両立している点。2つ目は、営業・企画・実施といった分業制ではなく、一人のプランナーが最初から最後まで案件に携わる「一気通貫のプロジェクトチーム制」を採用していること。これにより、質とスピードを落とさない対応力で高い顧客満足度を実現している。そして3つ目が、ブランド価値と社会的価値の両立を目指す独自の思考フレーム「社会デザイン発想」である。これらの強みが評価され、企業の広報担当者が選ぶPR会社満足度ランキングでは3つの部門で1位を獲得した実績を持つ。
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